◆鬼太鼓

 「鬼」と聞くと悪者のイメージだが、佐渡の鬼は地域と暮らしを守るヒーローとされ親しまれている。鬼太鼓は、その年の五穀豊穣や大漁、家内安全を祈りながら集落の家々の厄を払うもので、島内の多くの祭礼で舞われる佐渡にしかない代表的な伝統芸能。

 島開きの「4月15日」は約40ヶ所の集落で祭礼が行われ、地元の鬼太鼓が「門付け(かどづけ)※」を行う。朝早く、場所によっては夜中に神社で打ち出しを行った後、集落の1軒1軒を回って舞い踊る。門付けされた家では、振る舞いの料理やお酒で一団をもてなす。

 祭りを心待ちにしていた集落の温かい空気を実感でき、親しみの感じられる鬼に出会える神事だ。

※集落の鬼太鼓は神社に奉納する神事ということを忘れずに。マナーを守っての見学をお願いします。

※「門付け(かどづけ)」・・・地区の家を回り、玄関先で鬼太鼓を披露すること。門付けを受けた家の人はご祝儀を振る舞う。

開催期間:4月15日(約40カ所で開催)など4月の土・日曜を中心に開催

鬼太鼓(おにだいこ)

所在地 新潟県佐渡市内各地
https://www.visitsado.com/feature/ondeko/

◆大野亀

 佐渡の秘境、外海府海岸のシンボルとして「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」二つ星として掲載された巨岩。標高167メートルの一枚岩が海に突き出している姿は圧巻。

 大野亀では毎年5月下旬頃から、50万株100万本ものトビシマカンゾウが咲く。トビシマカンゾウは、海の近くの断崖に咲くとされ、佐渡の大野亀は日本一の規模。

 黄色い花を咲かせるトビシマカンゾウが一面に広がる季節は、多くの人が訪れる。遊歩道も整備され、歩きやすく、観光にぴったり。

カンゾウの見ごろ:5月下旬~6月上旬

大野亀(おおのがめ)

所在地 新潟県佐渡市願
https://niigata-kankou.or.jp/spot/9969

2024.03.31(日)
文=桐生奈奈子