この記事の連載

 素晴らしい空間で美しい街並みを一望しながら、美味に舌鼓。

 食とアートの都ならではの感動を体験できる最新レストランを4回に渡りご紹介。


世界の注目を一身に集める“鉄の貴婦人”の新空間

◆Madame Brasserie(マダム・ブラッスリー)

 作家ギィ・ド・モーパッサンは、エッフェル塔のレストランで食事をすることを好んだという。そのココロは、このなかに入ってしまえば、塔の姿を見なくてもよいから。

 1889年に完成したエッフェル塔は、あまりにも革新的だったがゆえ、当時の芸術家には反対を唱える人も少なくなかった。

 そのひとりが冒頭のモーパッサンなのだ。それから130余年後の今、エッフェル塔はパリになくてはならないアイコンになった。

 さて、この“鉄の貴婦人”には、創建当時からレストランがあり、そこに登るためのエレベーターもすでに完備されていたのだから驚く。

 第1・第2展望台に展開されるレストランは、各時代を象徴する有名シェフたちの活躍の舞台となり、2022年6月には第1展望台にティエリー・マルクス氏監修の「マダム・ブラッスリー」がオープンした。

 ティエリー・マルクス氏といえば、フランスを代表するシェフのひとり。マンダリン オリエンタル パリのメインダイニング「シュール・ムジュール」を率いるだけでなく、料理を通じて社会を変えてゆく力をもった人物として絶大な人気がある。

 持続可能性、地産地消など、環境と人間の未来に誠実に向き合う美食というコンセプトは、パリの偉大なる“dame(貴婦人)”を舞台にしたこの最新ブラッスリーでも生かされている。

 ところで、ランチやディナーで訪れる際は、ウェブサイトでの予約がおすすめ。エッフェル塔へ登るにはリフト券が必要だが、予約があれば専用受付から第1展望台(高さ58メートル)までスムーズにアクセスできる。

 高層ビルのないパリの景観を満喫するなら、この高さがちょうどよいかもしれない。ただし、食後に上層階に行きたい場合は、事前に別のリフト券購入が必要(第1展望台では購入不可)。

 また、リフト券さえあれば、予約なしでもOKの朝食や軽食、アペリティフを楽しむことも可能だ。

 鉄の貴婦人の内側で鼓動するハートのように、パリのリズムを刻む場所。それが「マダム・ブラッスリー」なのだ。

Madame Brasserie(マダム・ブラッスリー)

所在地  Tour Eiffel 75007 Paris
電話番号 01 83 77 77 78
営業時間 ラウンジ 10:00~22:00、レストラン(12:00~、13:30~、18:30、21:00~のいずれかの時間帯で要予約)
定休日 無休
https://www.restaurants-toureiffel.com/fr/madame-brasserie.html

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Column

CREA Traveller

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2024.03.20(水)
文=鈴木春恵
撮影=武内正夫
編集=矢野詔次郎

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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