そもそも多くの人が「サラダチキン」を愛用する理由は、たんぱく質をエネルギー源とするためではなく、たんぱく質を「体をつくる材料とし」、余計なカロリーを摂取して太ることを避けたいからだと思います。

 幸い、脂質を控えても(糖質を控える場合に比較して)カロリー消費が1日約300kcal減少してしまい、(つまり代謝が落ちるということ)減量には無利益だという論文があります(*3)どうぞ安心して脂質を摂取しましょう。

*3 JAMA 2012; 307(24): 2627-2634

 そして、サラダチキンを食べるときには、脂質をプラスすることをお忘れなく。

ヘルシーイメージの「和食」には“隠れ糖質”が多い

 和食はヘルシーなイメージがあります。しかし、実際には、隠れている糖質が多いこともあるので、注意が必要です。

 “和食はヘルシー”というイメージは、カロリーが少ない、油脂の使用量が少ないということに由来しているものと思います。肉の脂身を気にして、どの部位のお肉にするかや大豆ミートに替えようか、ということに気を遣う人もいらっしゃるでしょう。しかし、その際に、本来目を向けるべき糖質量に意識が向かわず、結果として、カロリーや油脂が少なくて糖質が多いという、典型的に食後高血糖、すなわち糖質疲労を招くメニューにしてしまうことがあるのです。

 上白糖大さじ1杯で7.9g、みりん大さじ1杯で7.8gの糖質量となります。おにぎり1個の糖質量が約40gですから、おかずでこうした味つけの中で糖質を摂取し、さらに、主食を食べてとなると、容易に糖質過多を招きます。

 しかも、こうした調味料に含まれる糖質は、実際にどれほどの量か外食のメニューとして提供された中では把握することは不可能です。食べて「甘い」と感じるほどでなくても、知らぬ間に糖質疲労を招きかねないということを認識していただきたいと思います。

 

2024.03.18(月)
著者=山田 悟