僕自身の中にある嘘のない感情を与えたい

――題名である『コヴェナント/約束の救出』COVENANTの解釈として、絆(BOND)、誓い(PLEDGE)、約束(COMMITMENT)という3つの言葉が最後に出ます。ジェイクさんは、ジョンとアーメッドの関係においては、この中のどれが一番近いと思いますか?

ジェイク (長い間悩んでから)約束、コミットメントかな。言葉であっても、言葉にしなくても、ある約束をしたならば、それを最後までまっとうしなければいけない。だからある意味では、名誉や仁義とも言えると思います。

――最後に、ジェイクさんが俳優として最も大切にしてること、そして人間として最も大切にしていることを教えてください。

ジェイク とても答えるのが難しいですが、俳優としては、自分の中にあるものをできる限り引っ張り出すことが一番重要だと思っています。たとえ演じるキャラクターのガードが固くてそれを拒んだとしても、僕自身の中にある嘘のない感情を与えたい。

 そして人間として大切にしていることはいくつかあるけれど、一番重要なのは、好奇心を持ち続けることだと思います。好奇心があったおかげで、僕は自分をさまざまに羽ばたかせることが出来たし、これからもそうあり続けたいと思います。

『コヴェナント/約束の救出』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開中

配給:キノフィルムズ
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監督・脚本・製作:ガイ・リッチー(「スナッチ」、「シャーロック・ホームズ」)
出演:ジェイク・ギレンホール、ダール・サリム

2018年、アフガニスタン。米軍曹長ジョン・キンリーはタリバンが隠した武器を探すため、アフガン人通訳のアーメッドを雇う。報酬は彼と家族のアメリカへの移住ビザ。キンリーの部隊は爆弾製造工場を突き止めるが、キンリーとアーメッド以外は全滅。キンリーも重傷を負うがアーメッドに救出され、アメリカへ帰還を果たす。しかしアーメッドがタリバンに狙われていることを知ったキンリーは、彼を救うため再びアフガニスタンへ向かう。
https://www.grtc-movie.jp/

ジェイク・ギレンホール

1980年、アメリカ、カリフォルニア州生まれ。父は映画監督、母はプロデューサーで脚本家、姉は女優マギー・ギレンホールという芸能一家に育つ。1991年、『シティ・スリッカーズ』で子役としてデビュー。『遠い空の向こうに』(99)に主演して注目を集め、アン・リー監督の『ブロークバック・マウンテン』(05)で米国アカデミー賞助演男優賞の候補になり英国アカデミー賞では受賞を果たした。『ゾディアック』(06)、『ラブ&ドラッグ』(10)、『ナイトクローラー』(14)、『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』(15)、『ノクターナル・アニマルズ』(16)、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(19)など。

2024.03.05(火)
文=石津文子