冷たく乾いた木枯らしが吹き、日本に冬がやってきました。自然の美しさと厳しさをひときわ感じる季節です。

 凍てつく寒さが生む景色や、澄んだ空気に映えるイルミネーション……日本各地の冬ならではの絶景・風物詩を集めました。

 暖かくして、今しか見られない冬景色に会いにいってみませんか? 今回は、奈良県が誇る冬の絶景・風物詩をピックアップ。日本の各地に息を呑むような素晴らしい景色が広がっています。

» #01 茅原のトンド
» #02 野迫川村の雲海
» #03 長谷寺の観音萬燈会
» #04 念仏寺の陀々堂鬼走り
» #05 若草山焼き
» #06 月ヶ瀬梅溪
» #07 三峰山の霧氷
» #08 冬の浮見堂
» #09 壷阪寺の雪大仏
» #10 室生寺の雪景色

» 日本の隠れ絶景・風物詩リスト


◆茅原のトンド

 修験道の開祖とされる人物・役行者(役小角)の生誕の地と伝わる御所市の茅原。この地には役行者が開基と伝えられる「吉祥草寺」があり、毎年1月14日には「茅原のトンド」が行われる。

 トンドとは小正月に古いしめ縄や正月飾りなどを一か所に集めて焼く行事のこと。1300年の伝統を誇る茅原のトンドは、「奈良遺産」および県の「無形民俗文化財」に認定された、全国的に有名な伝統行事。

 トンドの大きさは日本屈指で、高さ6メートルを超す雄・雌一対の大松明が燃え上がる様子は迫力満点。当日は、無病息災、五穀豊穣を祈願しに訪れる多くの人で境内が賑わう。

開催日:毎年1月14日

茅原のトンド(ちはらのトンド)

開催地 奈良県御所市茅原279
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/01shaji/02tera/02west_area/kisshosoji/event/zva5a5lt38/

◆野迫川村の雲海

 県の南西部、高野山と十津川村の間に位置する野迫川村は、雲海の名所として知られている。

 平均標高700メートルの山々に囲まれたこの村には、雲海のビュースポットが数多く点在。特に「高野辻休憩所」からの眺望は美しく、連なる山々の間に広がる雲海はまるで大海のような雄大さ。

 車の中からも眺めることができるので寒い季節にもおすすめ。雨上がりの風が弱い早朝がチャンスだ。

見ごろの時期:通年

野迫川村の雲海(のせがわむらのうんかい)

所在地 奈良県吉野郡野迫川村上(高野辻休憩所)
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/02nature/01mountain/04south_area/wg3mky2od3/

2023.12.30(土)
文=佐藤由樹
協力=奈良県観光公式サイト「あをによし なら旅ネット」