◆『メダリスト』つるまいかだ/講談社

 現役をあきらめ、フィギュアスケートのコーチになった明浦路司。スケートが大好きだが、親に不出来な子と決めつけられ、チャレンジの機会をもらえずにいた小学5年生の結束いのり。

 そんな2人が出会い、二人三脚でオリンピックの頂点を目指す! コーチと選手がチームとなり、お互いに理解を深めながら前進していく姿に目尻が下がります。

 技や採点の解説もくわしく、「難度の高い技を習得していなくても優勝を狙える戦略」などにもワクワクさせられるのです。

◆『神様のバレー』渡辺ツルヤ 原作、西崎泰正 作画/芳文社

 主人公は、対戦相手の情報収拾や分析を行い、試合中に戦略のアドバイスを行う敏腕アナリスト・阿月総一。

 私立中学の弱小男子バレー部のコーチに就任するや、瞬く間にチームを変えていきます。効率的な練習法だけでなく、選手を操る心理コントロール術の鮮やかさが読みどころ。

 相手チームを出し抜く仕込みを行うなど、正攻法では太刀打ちできなさそうな相手に戦略で打ち勝つ姿も快感です。阿月の影響から、自分の頭で考えることを身につけていく中学生たちの成長ぶりが頼もしく、本気で応援してしまいます。

◆『オール・ザ・マーブルズ!』伊図透/KADOKAWA

 「女が野球続けたって将来なにもない」――自嘲的にこう口にしながらも、野球を捨てたくなかった結城愛。彼女の想いは、天才的なピッチャー・草吹恵との出会いを経て燃え上がり……。

 数少ない女子野球部のある高校でチームメイトとなった2人が共鳴しあいながら進化を遂げていく姿のまぶしいこと。

 一方で、先の人生を見据えた上でスポーツに打ち込む意義やリスクをも考えさせる。女子野球の未来や可能性を問う、俯瞰的な視野を併せ持つ意欲作です。