イ・ソンギュンも4年ぶりにカンヌへ!マダムアヤコとの2ショットも

 フランスの人気刑事ドラマ「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」でも、アストリッドが小さな畳があるだけの部屋で推理するシーンがよく出てくるんだけど、まさにあれがフランスにおけるZENで、「PERFECT DAYS」の役所さんがラジカセしかない古アパートで毎日同じように暮らす姿も、欧米の人には究極のZEN  MOVIE、ZEN ACTORとして映ったんだと思う。そして風景以外、100パーセント、全部のシーンに役所さんが出ているのに、もっと役所さんを観ていたくなる。ほんの少ししか喋らないのに、本当に色々と想像させるのだ。良い顔だと思う。

 良い顔といえば、韓国のイ・ソンギュンも良い顔だし、良い声なんだよねえ。大好き。「パラサイト 半地下の家族」以来4年ぶりになるカンヌでは、ミッドナイト・スクリーニング部門のディザスター大作「PROJECT SILENCE」と、批評家週間で上映されたスリラー「SLEEP」(いずれも英題)と、コンペ外だが主演作が2本も上映された。

 以前、ベネチア国際映画祭で取材したとき、朝イチだったせいか寝癖がついていたのが印象的だったが(バラしちゃってすまん。もう10年以上前だから時効ということで、許してね)、この人は売れっ子になっても全然変わらないなあ。いつも自然な感じ。なんというか、映画監督とか、制作スタッフ味があるのが良いのだよねえ。このキャップのせいかもしれないが。今回は、初めてカンヌに妻であるチョン・ヘジンとお子さんたちも連れてきていて、良い家族サービスもできたらしい。

 南仏のカンヌは5月といえども、もうかなり暑く(でも夜は冷えるので、イ・ソンギュンさんもマダムアヤコもかなり厚着である。学校で習った、地中海性気候ってやつだ)、バカンス客もいっぱいいる。マダムは毎年水着を持っていくものの、いまだに一度もビーチで泳いだことはないのだが。

2023.10.06(金)
文・撮影=石津文子