肝試しに行った夜の神社の不気味さ

――Cocoさんがホラーに関心を抱いたきっかけはなんですか。

Coco 小学生のときに観たアニメの影響が大きいんです。幼い頃はホラー映像や怪談が大の苦手でした。恐くてコワくて、見るのも聴くのもいやでしたね。

 ただ小学生の頃、テレビアニメの『ゲゲゲの鬼太郎』や『怪談レストラン』『地獄先生ぬ~べ~』を観るようになってから、ホラーに興味を持つようになったんです。「恐いって、おもしろいんだ」って気がついた。特に「ぬ~ベ~」は、めっちゃハマりましたね。最近もAmazonプライムで観なおしています。

――Cocoさんはこれまで日本の心霊スポットおよそ500カ所、1,000回以上も訪問しているそうですね。心霊スポットへ行くようになったのは、いつですか。

Coco 18歳から友人に連れていってもらうようになり、一人で全国を巡りだしたのは19歳からです。「10代の最後に何かチャレンジしたい」と思い、自動車と中型バイクの免許を取得しました。以来、有名な心霊スポットは沖縄と北海道以外、ほぼ訪れています。

 恐い場所に興味をもったのは高校時代です。夏休みに友達とのお泊り会があり、夜に「どこか恐いところへ行かない?」「肝試ししようよ」「夜の神社へ行ってみようよ。楽しいじゃん」というノリになりました。

 向かうのは地元の小さな神社。夜中なので神社の照明はもう落ちています。暗闇の向こうに立っている赤い鳥居が不気味でね。友達どうしで「コワいコワい!」「ヤバい!」「オバケ出るんじゃない?」と抱き合って、キャッキャキャッキャはしゃぎました。その時間が、ほんっとに楽しくって。いまだに忘れられない、いい想い出です。

 あの日の夜の楽しさが私の心にグサッと刺さり、現在も抜けないままなんですよ。心霊スポットと呼ばれる場所へ行くようになったのは、それからですね。

――TikTokで心霊スポットをルポするなど、心霊スポットめぐりがライフワークになっていますよね。そういった場所の魅力はどこにあるのでしょう。

Coco 情緒ですね。心霊スポットと呼ばれる場所はどこも特別な雰囲気があるんです。大好きだから同じ場所へ何回も何回も行くんですよ。

 そして、そういう場所がなくなるのが悲しくて、記録用として動画や画像を撮影して残しています。かつて心霊スポットとして有名だった場所を訪れてみると、見渡す限りソーラーパネルがバーンと広がり、無機質な風景に変わっている。そんな例はたくさんありますから。

2023.10.04(水)
文・写真=吉村智樹