この記事の連載

◆18位『月出づる街の人々』酢豚ゆうき/双葉社

 透明人間や狼男、ドラキュラ、メドゥーサ、ナーガ……。さまざまな種族のモンスターの少年少女たちが、友情、恋愛、家族について考え、悩み、そしてお互いを理解しながら成長していく物語。

 優しさにあふれるストーリー展開は疲れた夜にぴったりとの声も。

 第1巻は同人誌で発表されて話題となった4編に、新作の2編を加えて単行本化。全2巻。

「異なる種族のモンスターたちが一緒に暮らす世界。見た目も力も特性もバラバラ。それでいて優しい世界なのは『この種族が偉くて、この種族は劣っている』という描写がまったくないから。特性をまったく違うキャラクターたちにすることで、心の繋がりがより伝わってくる表現は見事です」(イラストエッセイスト 犬山紙子さん)

「モンスターの高校生たちが自らの特性とともに紡ぐ『ふつうの』友情や恋愛の話で、『みんなちがって、みんないい』を体現したような世界観にあたたかな気持ちになりました」(ebookjapan マンガコンシェルジュ 足立圭吾さん)

「モンスターたちの何気ない日常。特にメドゥーサの子のエピソードが最高です」(H.K.さん 40代 自営業)

犬山紙子(いぬやま・かみこ)さん
イラストエッセイスト

多くの雑誌で執筆のほか、メディアでも活躍中。ゲームやマンガなど、2次元コンテンツ好き。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ文庫)。

足立圭吾(あだち・けいご)さん
ebookjapan マンガコンシェルジュ

5歳でマンガの魅力に憑りつかれ、マンガ業界に身を捧げる。電子書籍サービス「ebookjapan」の営業で、蔵書約2万冊を超えるマンガコンシェルジュ。

2023.09.17(日)
文=CREA編集部
写真=平松市聖