乾燥は5時間以内で!

 臭いの原因となるモラクセラ菌は、水分も大好物。洗濯物に水分が残っている時間が長ければ長いほど菌が増殖し、嫌な臭いが増えてしまいます。そのため、臭い対策においては「いかに早く乾かすか」が重要になります。目安は、5時間以内。早く乾かすためには「湿度」「温度」「風」といった3つのポイントを意識しましょう。

 僕たちプロのクリーニング屋は、洗濯物を外に干すことはせず、常に「室内干し」です。お天気で仕事が左右される訳にはいきませんし、黄砂やPM2.5などの有害物質、衣類にダメージを与えてしまう紫外線から洗濯物を守らなければなりません。夏は、ゲリラ豪雨なども気にしなくてすみます。

 室内干しと聞くと、どこかネガティブな印象を持たれる方も少なくないかもしれませんが、「室内干し」に悪いポイントはありません。室内干しが悪いわけではなく、誤った室内干しで“乾かす時間が長くなっていること”こそが問題なのです。

 これからお伝えする室内干しでも洗濯物を早く乾かすことのできるポイントは、夏の暑い時期だけではなく、洗濯物を外に干せない梅雨の時期や、花粉が気になる時期、洗濯物が乾きづらい冬の時期などにも活用できるもの。ぜひお試しください。

 

(1)湿度は40%以下

 夏はとても湿度が高いため、室内干しでは洗濯物が乾きづらい時期です。部屋の湿度が下がらないと洗濯物は乾かないので、いつまでも部屋がジメジメしたままだと、当然ながら洗濯物もジメジメしたまま……。なので、干している空間そのものの湿度を下げることが重要です。

 いちばん便利なのは「除湿機」。最近では、家電量販店でも大きく「除湿機コーナー」ができていますし、需要が高いのでしょう。部屋の湿度が下がると体感温度も涼しくなるので、人間にとっても衣類にとっても快適です。

(2)風をあてる

 サーキュレーターや扇風機を使って、洗濯物に風をあてましょう。特に厚手のものや、洗濯物の下のほうに風をあてることをおすすめします。湿気は部屋の下のほうにたまるため、洗濯物の下のほうが乾きづらいからです。

2023.08.28(月)
文=洗濯ブラザーズ