キタニタツヤの曲は「ダーク&ダンサブル」

──今回のシングルは「青のすみか」をはじめ、カップリング曲2曲も、歌詞がダークで曲調がダンサブルなのが印象的ですよね。

 ああ~! ほんとだ……というか僕、そういう曲ばっかなんだと思います。たしかに、歌詞が暗くて、曲がダンサブル。今度からキタニタツヤを紹介するとき、そう言います! めちゃくちゃ本質的かもしれない(笑)!

 暗い歌詞と、ダンサブルな曲調は、それぞれ自分の好きなものなんですよね。暗い歌詞に関しては、自分はわりと明るい人間ではあるんですけど、それは日々の鬱憤とか「なんか嫌だな」と思ったものを、歌詞としてアウトプットできてるからだと思うんです。歌詞を書かなくなったら、逆に私生活のほうがよくない感じになる気がします。

──例えば親しい間柄の人と愚痴を言い合うことで、人生を楽しく生きられるということもありますからね。

 そうそう。愚痴って1人で吐き出してもダメで、どこかに着地しないと意味ないんですよね。例えば飲み屋さんとかでも、話を聞いてくれる人がいないといけない。僕の場合は音楽という媒体を通して、不特定多数の人が聴いてくれる。だからファンの人がいい意味で“悪友”みたいな意識はありますね。

──ダンサブルなサウンドが好きな理由は?

 僕はもともとライブハウスが好きなので、音楽は体で聴くものという認識があって。今はアンビエントやノイズを寝ながら聴くこともありますけど、それは大人になってから理解したもので、もともと好きな音楽と言ったらビートが強くて体が動く音楽。だからダンサブルな曲調が好きなのは、しばらく変わらないんじゃないかなと。青春時代からロックが好きだったから、ドラムとベースの音はでかければでかいほどうれしいです(笑)。

──これからのキタニさんの音楽も楽しみにしています。最後に、最近の楽しかったトピックスなどがあれば教えてください!

 昨日、初めてレーシングカートに乗りに行ったのですが、おすすめです!(取材は7月下旬に実施)千葉の少し山のほうに、レーシングカート専用のレース場があって。5人で行ったんですけど、思わぬ才能が開花して優勝しました。めちゃくちゃ褒められて、一等賞のメダルをかけてもらって。一等賞ってあんまり取れないし、もともと『頭文字D』ファンなのでうれしかったですね。シャンパンファイトみたいにペリエの瓶を振って炭酸水をかけてもらって、ビッシャビシャになりました(笑)。これから挑戦する方には「コーナーは臆せず攻めろ!」と伝えたいです。でもGがかかるのを踏ん張ったせいか、今背中がめちゃくちゃ痛いので、注意してください(笑)。

キタニタツヤ

1996年2月28日生まれ。東京都出身。2014年頃からネット上に楽曲を公開。2017年からは楽曲提供をしながらソロ活動も行う。2023年7月、TVアニメ『呪術廻戦』「懐玉・玉折」OPテーマを担当、「青のすみか」をリリース。

TVアニメ『呪術廻戦』「懐玉・玉折」OPテーマ
キタニタツヤ「青のすみか」
2023年7月19日リリース

【CD】
M1. 青のすみか
M2. 素敵なしゅうまつを!
M3. ラブソング (cover)
M4. 青のすみか - Instrumental

【BD】(初回盤のみ) 
■「One Man Tour “UNKNOT / REKNOT” Live at Zepp DiverCity(TOKYO) 2022.10.15」

2023.08.06(日)
文=石橋果奈
撮影=末永裕樹