この記事の連載

 大型犬とエミューと暮らす会社員のB子さん。なぜエミューを飼おうと思ったのでしょうか。エミュー愛についてもたっぷりとお聞きしました。

前篇 「水遊びの後は庭を全速力で駆け回って」 東京郊外でエミューを飼う会社員が考えた “人生のプライオリティー” を見る


──なぜエミューを飼おうと思ったのですか?

B子さん シェパードを多頭飼いするために、都心から郊外に引っ越して畑を始めたのですが、雑草の手入れが大変で……。畑とドッグランと、あとは家の周りの土手も各家庭が草刈りをするという地域の慣習があり、大げさではなく毎日が「草との戦い」でした。

 そこで、自分を助けてくれるヘルパーとして、草を食べてくれる家畜を飼おうと考えたんです。庭に家畜を放牧し草を食べてもらうことで、省力的に除草をし、草資源の飼料利用をすることができれば、とも考えていました。

 山羊ならミルクも楽しめていいなと思ったのですが、鳴き声が大きいんですよね。鳴き声の大きい動物を飼うのはご近所のことを考えると心苦しかったですし、山羊はとても寂しがり屋で1頭だとうるさく鳴いてしまうので、飼うなら2頭から飼わねばならないそうなんです。それで羊、ポニー、ニワトリやチャボなどを候補にあげて考え始めました。

 そんな時、YouTubeでエミューを飼っている人の投稿があったんです。それを見て、「エミューいいかも!」と思ったのがきっかけです。

──どんなチャンネルですか?

B子さん 「ちゃんねる鰐」さんという、は虫類や珍しい動物を飼って育てている方の番組です。そこで、エミューを孵化して育てているのを見ました。エミューは特定動物に該当しないので自治体への届け出も不要で、特別な手続きや資格もいらないとおっしゃっていたので、これなら飼えるかもしれないと思って、そこから詳しく調べ始めました。

──エミューはペットショップなどで販売しているものなのでしょうか。

B子さん 私の場合は、福岡でエミュー事業を行っている会社に問い合わせをしました。そこは、エミューの飼育に関するコンサルティングやエミューを産業鳥として有効活用することを事業としている会社なんですよ。ここなら信頼できるとご相談をして、エミューの雛を譲っていただくことになりました。

2023.08.12(土)
文=相澤洋美
撮影=細田忠