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 現在公開中の映画『山女』では格差や貧困に翻弄されながらも、強く生きようとする村娘・凛を演じた山田杏奈さん。私生活では22歳の彼女は、周りの友人が学生から社会人へとステップアップをしていくタイミング。着実に大人の世界に足を踏み入れていく今だからこそ感じる、心境の変化とは?

 大人になったからこそ感じた出来事や、家族とのプライベートなエピソードまでたっぷりとお話を伺いました。


役所にひとりで行ったとき、大人になったなって感じました(笑)

ーー山田さんの年齢だと、ちょうど周りは新入社員として社会で働き始めたタイミングですね。同世代の友達と仕事について話をしたりはしますか?

 ちょうど4月から周りが新卒1年目なんです。友達から研修が始まったとか、配属がどうだとか、そういう話を聞いてて、私は勝手にワクワクしています(笑)。これまでは同級生を、仕事の話をする対象として見てなかったんですよ。「ようこそ!」というわけじゃないんですが、すごく嬉しいです。

 学生ももちろん大変なことがあると思うんですけど、働き始めたらまた別の苦労もありますよね。これから友達がそれぞれ選んだ道での仕事の楽しさや不満などを聞くのが楽しみです。一緒に頑張る仲間がいると自分の励みにもなる気がします。

ーー今後、仕事現場で友達と一緒になる機会があるかも知れないですね。

 あり得ますよね! 最近は現場にも、スタッフさんに同年代や年下の人が増えてきていて。嬉しいですけど、気が引き締まりますね。今まではどこに行っても一番年下だったので、無意識に「まあ下っ端だからな」と思っていた部分もあったのですが、そんなんじゃいられないですもんね。こういう環境の変化が歳を重ねるってことなのかなって思います。

ーープライベートの面で、山田さん自身が大人になったと感じる瞬間はありますか?

うーん、、、ひとりで役所にいった時? こんなに事務手続きってあるんだ! って感じるとともに大人になったって感じたかもしれない(笑)。やらなきゃいけないお知らせのハガキが私宛に届くようになったりすると実感しますね。

2023.07.06(木)
文=高橋琴美
写真=松岡一哲
ヘアメイク=菅長ふみ(Lila)
スタイリスト=中井彩乃