営業は早朝5時から。その理由とは?

 さて、「ジャパンミー」の開店は朝5時。えっ、朝ごはんに麺を食べるの? と驚く方がいるかもしれませんが、これはマレーシアをはじめ、東南アジアの食文化あるある。つるっと喉ごしのいい麺は屋台での朝食にぴったり。(詳しくはこちらのコラムにて)。

 実は「ジャパンミー」が下北沢で開業したのは、2020年3月10日。それから約1カ月後、コロナ禍による1回目の緊急事態宣言が発出され「下北沢の街から人が消えました」とゆきちゃん。

 緊急事態宣言が明けて通常営業に戻っても、お客さんはなかなか来ない。そのころは11時からの営業でしたが、これだけ誰も来ないのなら、元々やりたかった現地スタイルの“朝麺”をやってみよう、と早朝営業にシフト。

 そんなある日、ふらっと入ってきたお客さんから「下北沢にはバーホッピングの文化があるんだよ。複数の店で夜通し飲み歩いて、おいしい朝食をシメにして解散。このパンミーは飲んだ後のシメにぴったりだね」と声をかけられます。

 それから飲み好きの間で知名度が上がり、今では驚くことに、朝5~6時までが1日のうちの1回目のピークタイム。最近では朝ランの途中に立ち寄るお客さんも増えてきたそう。

 そんなお客さんにいつでもおいしい麺を食べてもらいたい、と麺作りはハード。

2022.07.04(月)
文=古川 音(マレーシアごはんの会)
撮影=田中じゅん、伊能すみ子