天気の急変を知ることのできる雲のひとつが、頭巾雲です。これは成長中の雄大積雲の頭に現れ、このあと積乱雲に発達しそうな状況であることを読み取れる雲です。青空にかなとこ雲が見えたり、濃いすじ雲(巻雲)が広がってきたりしたら、その先で積乱雲が限界まで発達している可能性が高いです。空に広がってきた雲の底にコブみたいな雲が現れたら要注意。これは乳房雲という雲で、積乱雲が進む方向に現れることがあります。青空が急に暗くなったり、冷たい風が突然吹いてきたりしたときも天気の急変に注意です。

 これらの雲を見かけたら、まずはレーダーの雨量情報で積乱雲の位置や動きを確認しましょう。そして積乱雲が来る前に安全な屋内に移動してください。

【前編を読む】《奥多摩町には「人工降雨施設」が存在》天気は思い通りにコントロールできる? “空”にまつわる“謎”を雲研究者が解説する

2021.12.24(金)
文=荒木健太郎