こんにちは、新人美容研究家のにらさわあきこです。

 脚のむくみ対策や改善する方法について、リンパ浮腫の専門医にうかがった前編に続き、レポートします。

 今回は、「着圧ソックス(弾性ストッキング)」の選び方と、いくつか試した感想です。

●足の周囲のサイズで選ぶ

 教えてくれたのは、今回も麹町皮ふ科・形成外科クリニック院長の苅部淳先生です。先生のクリニックでは、全国でも珍しいリンパ浮腫の専門外来を設けています。

 前編では、むくみ対策のひとつとして、着圧ソックスを勧められました。

 着圧ソックスは、医療用のものから、美脚づくりを謳うもの、マッサージ効果を目的とするものまで様々出ています。

 私自身、今までは、何の気なしに選んでいましたが、むくみ予防の観点からすると、どう選ぶべきなのでしょうか?

「医療用の弾性ストッキングは、脚にかける圧力が27ヘクトパスカル以上という基準が設けられています。治療の場合、むくみの状態をクラス分けして、クラスごとに圧力を定めています。

 が、治療でなく、予防や対策に使う場合には、適度な圧があれば十分。長さも、ひざ上までの必要はなく、ひざ下のものでいいでしょう」(苅部先生、以下・同)

 なるほど、ヘクトパスカルですか!

 そういえば、市販のメディキュットやスリムウォークなどのパッケージには、数字が書いてありましたが、勝手に「センチ」だと思ってました。改めて確認してみると、確かに「hPa」と書いてあります。皆さま、ご存じでしたでしょうか?

 しかも、「ヘクトパスカルってなんだっけ?」と、思わず調べてみたところ、気圧で使う単位でしたね。台風の時に聞くものが、靴下の単位で出てこようとは!

「でも、大切なのは圧力よりも、脚周りのサイズが合うかどうかです。市販されている着圧ソックスは、パッケージにS、M、Lなどのサイズが表記されているはずですが、そのサイズをしっかり見るようにしましょう。

 サイズに合わないものを履いて、圧が強すぎると、圧迫されてうっ血するなど不具合が生じる恐れがあります」

 これまた、全国の女子には必須な情報なのではないでしょうか。

 というのも、自分の足の太さって、そもそも知らなかったりしません? 

 ひざ下タイプの商品で見ると、ふくらはぎと足首の周囲でサイズを選ぶようになっていますが、私に限って言えば、そんなところの太さを測ったことはないです。測りたくもないですし。

 しかも、「もしや」と思って、ひざ上タイプの計測ポイントを見てみると、太ももや太ももの付け根まで測る仕様になっていました。一層、知りたくない場所です……。

 そもそもメジャーを持ってない人も多いのではないかと思うのですが、むくみを予防するためには測っておいたほうがいいようです。

●タイプごとに履き比べてみました

 では、履き比べていきましょう。

 まずは、私が一つだけ持っている医療用の弾性ストッキングから。

 専門の販売店などで扱っている医療用の弾性ストッキング値段はひざ下タイプで4,000円弱、ひざ上で6000円程度のものがポピュラーのようでした。

 私が購入したものは、ドイツの医療機器メーカーが販売するひざ下タイプで、4,000円弱でした。足指部分が開いている「つま先なし」タイプで、履く時は、着用を補助するフットスリップというものを使います。

 履き方は独特で、手繰り寄せるのは禁止。少しずつ丁寧に引っ張り上げて履いていきます。

 さすがにきつくて履きづらいのですが、これこそが圧力の証。履き心地も、「医療用、さすが」と言う感じのサポート感です。

 説明書によると、押し洗いと陰干しが推奨されていて、「圧のキープに力を注ぐ」重要性が感じられました。

 続いては、スリムウォークのシリーズをいくつか履き比べてみました。

 因みに、メディキュットと何が違うかと言いますと、メディキュットは海外のメーカーの商品で、スリムウォークは国内メーカー「ピップ」のもの。

 類似商品で比べると、メディキュットのほうが、圧が強めでした。

 また、身長が同じ場合には、メディキュットのほうが、ふくらはぎや太ももが細い想定になっています。外国人は脚が細いのでしょう……。

 私は、「ザ・日本人体型」なので、スリムウォークを選びました。

2020.09.13(日)
文・撮影=にらさわあきこ