ケージ訓練、安定剤試飲、防寒。乗る前の準備が大変!

イタリアでは定番の犬猫用安定剤、キリタム

 処方された薬は、イタリアではよく知られる犬猫用安定剤「キリタム」。個体差に合ったちょうどいい量、効き目を知るため、事前に獣医の監視下で試飲させます。我が犬の場合、1粒半を与えると、30分後に脚(とくに後ろ脚)がふらつき、ぼんやりとした表情と動きに。睡眠薬ではないので、深い眠りにつくというより、全体的にボーッとさせる効果があるようです。そして、約10時間後、薬が切れると副作用もなく元気いっぱい。薬を飲ませる不安は残りますが、トラウマになるよりはいいだろう、と飼い主の心も決まったところで、予約に移りました。

 アリタリア航空では、犬用貨物スペースは、1フライトあたり2席しかない上、電話予約のみの対応です。年末年始の繁忙期、空席を探すのに一苦労しましたが、無事予約をした後は、ケージの準備。アリタリアでは「最低フライト5日前から、ケージに入る訓練を」と推奨しています。また、貨物室は温度が低いので、寒がりな犬の場合は、防寒着の着用にも慣れさせないといけません。事前に準備することも多く、急に思い立って、急に旅立つのはなかなか難しい犬とのフライトです。

左:パレルモ空港のチェックインエリアにて
右:同じ便で旅をしたもう一匹の犬、モリーさん

 約1カ月の準備期間を経て、いざ空港へ。パレルモ空港では、チェックインの後、搭乗直前に担当者がチェックインカウンターに迎えに来てくれました。ぎりぎりまで飼い主といられるようにとの配慮と思われます。そして、犬と一緒に「規定外荷物」搭乗チェックエリアに行き、ケージに入れる毛布やおもちゃをエックス線検査機に。犬はケージを後ろ向きにしたまま、(飼い主と離れる不安を与えないように)貨物室に運ばれていきました。担当者に、「貨物室に着いたらご褒美にあげて」と犬用オヤツを渡し、私たちも急いでゲートへ……。

 さて、ミラノの空港。約2時間ぶりに迎えた我が犬は? 手脚が冷え切っていましたが、無事でした!

 バカンス中も元気に過ごし、復路のミラノ空港ではチェックインの後、搭乗1時間前までに自身で規定外荷物受付所に運ぶよう指示されました。空港によってずいぶん違うものです。人情深い南イタリアとの差異が微妙に気になるも、復路も無事到着。かくして我が犬の初飛行機の旅、往復共に成功となりました(詳しくは私のブログもぜひ見てくださいね!)。

 犬を飛行機に乗せる……飼い主だったら誰でも不安ですよね。どこかの空を飛ぶいつかの日のために。イタリアでの国内線フライト体験レポートをご参考までに!

左:ミラノ空港では、チェックインの後、自分たちで規定外荷物受付エリアへ
右:ミラノ空港で旅立つ直前のボンちゃん@ケージ

岩田デノーラ砂和子
フリーライター・コーディネーター・イタリア語通訳。2001年より、イタリア在住。メディアコーディネートおよび女性誌、WEBに執筆するほか、イタリア関連書籍多数。近著は人気シリーズ第3弾「街歩きのイタリア語」。
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