さまざまな技法が駆使された全100点のコレクション

モデルや自身の姿が描かれた、「彫刻家のスタジオ」と総称される46点の作品も見応えがある。天才ピカソの内面を窺い知るきっかけになりそうだ

 この銅版画コレクションは、1901年以降、画家が交流を持った友人である画商、アンボロワーズ・ボラールのために制作されたもの。31年から37年にかけて97点が手がけられ、翌年には画商のポートレート3点を加え、シリーズが完成した。

 この連作には、エッチング、ビュラン、ドライポイント、アクアチントといったさまざまな技法が駆使されている。そのテクニックは、これらの作品制作と同時にピカソが学んでいったものだという。ここには、50代を迎えた円熟期の巨匠の心の内が鮮烈に綴られている。繊細なラインからダイナミックな構図まで、力強い想像力に満ちたその成果には、誰もが胸を打たれずにいられないことだろう。

 この貴重な機会を、ゆめゆめ見逃すなかれ。

展覧会 ピカソ「スイート・ボラール」
会期 2012年12月18日(火)まで
会場 セルバンテス文化センター東京
住所 東京都千代田区六番町2-9 セルバンテスビル
電話番号 03-5210-1800
URL cervantes.jp
開館時間 10:00~20:00(日~14:00)
休館日 11月23日(木)、12月6日(木)
入場料 無料

2012.11.23(金)