リフエ空港から西へ約40キロ、ワイメア川を渡ると、まるでタイムスリップしたかような古い町並みが続くワイメア・タウンのメイン・ストリートに辿り着く。1778年、ハワイを発見したキャプテン・クックが初めて上陸した場所として知られるワイメアは、その後、捕鯨船の立ち寄り港として19世紀半ばまでカウアイ島にとって重要な船の玄関口となり、砂糖産業の全盛期を謳歌した。

ワイメア渓谷のふもとにあるコテージは、風格あるヤシの林が特徴的なリゾート

 そのプランテーションの労働者の住居として1900年代に建築された建物をそのまま保存し、インテリアをゲスト向けにモダンに改装したのが、ワイメア・タウンの一番奥にあるアストン・ワイメア・プランテーション・コテージだ。広大なオーシャン・フロントの敷地には、美しい海岸線と風にそよぐヤシの林、大きな木陰を作るバニヤン・ツリー……。そして、そのなかに57棟のコテージが、まるで絵本の中の風景のように点在している。そのレトロなカントリー風のたたずまいはどこか懐かしく、温かく旅人を迎えてくれる。

57棟のコテージは、プランテーション時代の住居の外観をそのまま保存したもの。室内はクラッシック・モダンに改装され、快適な滞在を楽しめる

 コテージは1ベッドルームのものから5ベッドルームのものまであり、人数によって間取りを選ぶことができる。それぞれの建物には当時住んでいた人の名前がコテージ名として残っていて、外装のペイントも当時の色を残した歴史的にも大変価値のある建物だ。また、ラタンやマホガニー、ウィッカーなど、素朴な素材の家具とクラッシックなファブリックをアクセントに使った室内は、プランテーション時代の雰囲気を大切に残している。