恵比寿で創業約40年。“行列のできる定食屋さん”としても知られ、渋谷・恵比寿・目黒・丸の内に7店舗を展開するおばんざい和食店「恵比寿 土鍋炊ごはん なかよし」の松井巨太料理長に、おうちで作るスタンダード和食を格上げするコツを教えてもらいました。4回に分けてご紹介します。


家庭料理といえばコレ!
最強の愛されおかず

 第3回目の今回は、「彼女に作ってほしい料理」としてもはや殿堂入りの人気メニュー、肉じゃがです! おいしいのはあたりまえ。いかに美しく仕上げるかが大切です。

煮崩れのない美しさで
差を付けよう
◆肉じゃが

材料(2~3人分)

■基本の出汁

・水:1,000cc
・昆布:10g
・鰹節:30g

■肉じゃが

・じゃが芋:2個
・人参:1/2本
・玉ねぎ:1/2個
・豚バラ肉:200g
・絹さや:少量

・基本の出汁:700cc
・砂糖:50g
・みりん:25cc
・酒:40cc

・醤油:90cc

基本の出汁作り

 あらゆる和食に使える万能出汁です!

(1) 鍋に水を入れ、昆布を水から入れて30分、沸騰させずに煮る。
(2) 昆布を取りだし、一度沸騰させる。
(3) 火を止めて鰹節を入れる。
(4) 鰹節が沈んだら布巾やペーパータオルで漉す。

作り方

(1) 玉ねぎは2cm幅にくし形切り、じゃが芋・人参は3センチくらいの乱切りにします。じゃが芋は水にさらしておきます。

(2) じゃが芋・人参を浸るくらいの水から3分ほど下ゆでし、ザルに揚げます。下ゆですることで野菜のアクを抜き、風味良く仕上げます。

(3) 鍋またはフライパンにサラダ油をひき、豚バラ肉を白っぽくなるまで炒めます。

(4) (2)で下ゆでしたじゃが芋、人参、と玉ねぎを加え、全体に油が回り、ツヤが出るまで炒めます。

(5) 基本の出汁、砂糖、みりん、酒を入れて沸騰させ、アクをすくいます。

覚えておきたいポイント
味付けは砂糖・みりんが先

糖分は塩に比べて分子が大きいので、醤油や塩など塩分を先に入れると、塩分より分子が大きい砂糖は具に染み込まなくなります。味を染み込みやすくするには、砂糖・みりんなど甘みから先に味付けするのがポイント!

(6) アクを取ったらアルミホイルの中央に穴をあけ、落し蓋としてかぶせます。このままコトコトと弱~中火で7~8分煮ます。

(7) 具に串がスッと通る手前で火を止め、落し蓋をしたまま余熱で火を通します。完全に柔らかくなる前に火を止めて余熱調理することで、具材の煮崩れを防ぎ、汁の澄んだ見栄えのいい煮物に仕上がります。また、煮物は冷める過程で味が染み込むのでおいしくなります。食べるときに再加熱すると、ちょうどいい感じの煮え具合になります。

(8) 30秒ほどサッとゆでた絹さやを斜め半分に切ります。温め直した肉じゃがを器に盛り、絹さやを彩りにあしらえたら出来上がりです!

2019.04.21(日)