“円相”と“安居”が
融合する心安らかな滞在

ENSO ANGO
(エンソウ アンゴ)

 個性の際立った宿泊施設が続々と登場している京都で、今話題を集めているのが“分散型ホテル”の「エンソウ アンゴ」だ。

京都の街角にとけこむように、5つのホテルが分散してたたずんでいる。

 華やかな四条河原町界隈に至近の街角に5棟が佇み、それぞれが異なる滞在体験を提案しながら、ひとつのホテルを構成するというスタイルが斬新。

 これまでとはひと味違う京都を満喫したい旅人たちを惹きつけている。

書家・樋口雅山房氏の作品が空間に凜とした空気を生み出す「FUYA II」の“タタミサロン”。様々なカルチャープログラムなどに使われる。
「TOMI II」のラウンジ。ルイ・ヴィトンのコレクションなども手がけるスイスのデザイン集団「アトリエ・オイ」による日本初の空間。

 サステイナビリティを意識した客室は、華美を排した清廉な印象。客室のタイプも多彩に用意する。

窓からの明るい光に祝福される「FUYA II」の“エンソウツイン”。ベッドには、英国王室御用達ブランドを採用。

 祗園・大和大路の「YAMATO I」は、ミニマルな空間でリーズナブルに長期滞在したいゲストのニーズに応え、ラグジュアリーを楽しみたいゲストには「FUYA II」がおすすめだ。

「TOMI II」では、バー兼レセプションでチェックイン。

 厳しい資格審査があることで知られるスモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールドに京都のホテルとして初加盟。

 また、日比野克彦氏をはじめとして、5棟ごとに異なるオリジナルのアートワークにも注目だ。

左:各ホテル棟それぞれに現代を代表する作家のアートを贅沢に配置。「TOMI I」には、日比野克彦氏作の独創的な手水鉢が。
右:中庭を眺めながら、くつろいで過ごせる「FUYA II」のラウンジ。

 さらにこのホテルを特徴づけているのが、ゲストのためだけの様々なアクティビティ。なかでもホテル内で体験できる坐禅は、ほかでは体験できない特別なプログラムだ。

 建仁寺塔頭両足院の伊藤東凌氏が、現代のライフスタイルに合った坐禅の在り方を平易に語り、参加者の質問にも優しく答えてくれる。

左:坪庭を望む“タタミサロン”で行われる伊藤東凌氏の坐禅セッション。2,000円(開催日は要問い合わせ)。
右:「FUYA II」には、デザイナー内田繁氏が手がけたオリジナル茶室が。

 呼吸を整えながらの約60分のセッションが進むにつれ、心身の緊張がほぐれ、奥底からリラックスしていくのを実感できるだろう。

「TOMI II」にあるスペインバル「ラ ロトンダ」では、京都の食材を取り入れたバスク料理を味わえる。朝食にもピンチョスを用意し、その美味しさは抜群。リゾート気分で、朝からワインを片手に「乾杯!」もOKなのが嬉しい。

 ただ今、新たなホテルを追加するプロジェクトも進化しているという分散型ホテル。今後の展開にも乞うご期待だ。


ユニークな京都体験もぜひ!

 坐禅のほかにも体験したいアクティビティは豊富。

 京料理「すまや」女将による“京おばんざい教室”、インストラクターと一緒に走る“Discover 京都Run”、さらに京都伝統のモノづくりの奥深さを学べる“京職人トーク”も人気。

 創業1764年の京念珠「中野伊助」をはじめ、職人さんの話を直接聞ける貴重な機会だ。

ENSO ANGO(エンソウ アンゴ)

所在地 京都市下京区富小路通高辻下る恵美須屋町187
電話番号 075-585-5790(予約)
客室数 229室
料金(1名) FUYA I 10,400円~、FUYA II 17,600円~、TOMI I 10,400円~、TOMI II 12,200円~、YAMATO I 8,150円~
https://www.ensoango.com/

Edit & Text=Shojiro Yano
Photo=Kunihiro Fukumori