門脇麦や成田凌など、旬の若手俳優共演で、岡崎京子原作を映画化した二宮健監督。高橋一生やDEAN FUJIOKAもその才能を認めた、27歳の新進気鋭の映像作家が“映画愛”について語る。

スピルバーグに憧れ
小4から映像制作

――映画監督を志したきっかけは、幼稚園の頃に観た『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』だったそうですね。

 「その年齢だったら、普通なら演者として、映画に出演してみたいという発想になるんじゃない?」と言われるのですが、それは一切なくて。当時から“出演する=誰かの指示を受ける”、それは自分には向いてないなってうっすら分かっていたんでしょう(笑)。その前からアクションフィギュアを動かして遊ぶことが好きだったから、物語に入ることより、物語を作ることに惹かれていて。それで、家族にも親戚にも友達にも「将来、映画監督になる!」と言っていました。

――そして、小学4年生からビデオカメラで、作品を撮り始めたそうですね。

 家にあった古いホームビデオカメラで、レゴブロックやフィギュアを撮影していました。自分のなかには何らかのストーリーがあって、最初に撮った映画のタイトルは『エンド・ワールド・プロテクト・メカ』という、2時間の3部作ものでした(笑)。その後に、カメラがどんどん小さくなって、中学に入ると、編集ソフトを使うようになっていました。それに、とにかく物語を作るのが好きで、時間さえあれば、マンガか小説みたいなものを書いていました。

――その一方、どのような映画を、どのように観ていましたか?

 最初に好きになった監督はジョージ・ルーカスやスティーブン・スピルバーグです。今でもやっぱり、ハリウッドのブロックバスター大作が好きなんです。映画館にもたくさん通いましたし、ビデオレンタル店に入り浸っていました。でも、やっぱり学生なので、小遣いに限界はあるし、親の許可もいるじゃないですか。だから、週末に放送されていた「金曜ロードショー」「ゴールデン洋画劇場」「日曜洋画劇場」には助けられました。

2019.01.11(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘