冷えとりの工夫【食事編】

 温かい食事が心にも身体にもしみる季節。さらに食養生の知識をプラスして、身体を温かく、かつ楽にすることを考えてみませんか。開業助産師として過去5,000人以上の赤ちゃんをとりあげてきた杉山富士子さんにお食事のコツを伺いました。

五感を働かせ、自分の身体が求めるものを摂りましょう。

旬のものを食べること
それが基本

 東洋医学では、食べ物には身体を温める「陽の食べ物」と冷やす「陰の食べ物」があると考えられています。基本的に、夏に収穫する食べ物は陰、冬に収穫するものは陽です。

 ですから本来は、季節の旬のものをいただいていれば、人は自然に必要なものを摂取することができます。

 しかし生活環境が変わった現代は冷え症の方が多いので、当助産院では、一年中、体を温める食べ物を摂ることをおすすめしています。

 だいこん、にんじん、れんこんなど「ん」がつく食べ物が多い根菜類、かぼちゃ、雑穀などは陽の食べ物です。こればかりを食べるのでは偏った食事になってしまいますが、陽の食べ物は不足しないように意識しておきましょう。

食材選びの合言葉は
「ま・ご・は・や・さ・し・い」

 「ま・ご・は・や・さ・し・い」という言葉も覚えておくといいでしょう。これは、健康のために積極的に摂りたい食べ物の最初の1字をとったものです。

ファン助産院で提供される食事の一例。この日のメニューは雑穀入りごはん、具沢山味噌汁、切り干し大根、野菜の煮物、アジの南蛮漬けなど。「まごはやさしい」を採りいれる方法を妊産婦に教えてくれる。

ま……豆(豆腐、納豆など大豆製品を含む)
ご……ごま
は(わ)……わかめなどの海藻
や……野菜
さ……魚(おもにイワシ、アジなど小さな魚)
し……しいたけなどのきのこ
い……いも

 意識しないと摂りにくい食材が多いように見えるかもしれませんね。でも、これらすべてを1回の食事で揃える必要はありません。

 忙しい時は、お味噌汁を具沢山にして「まごはやさしい」の食材をいくつか入れるといった方法でかまいません。

 手作りができなくて、コンビニで買って食事を済ませなくてはならないこともあるでしょう。外食やコンビニの食事に罪悪感を感じる方は多いのですが、そんな時は、自分を責めるより、「まごはやさしい」を思い出してお惣菜を一品プラスしてください。たとえば、ひじきやごぼうのサラダはコンビニでも買えます。

 少しの知識と心がけがあれば、チョイスが変わり、忙しくてもちゃんと食事を変えていくことができます。居酒屋さんなどでは「まごはやさしい」の食材を含むメニューがたくさんあります。

 また「まごはやさしい」に含まれる食べ物は、これだけを食べればいいということではありません。他のものも食べてバランスの取れた食生活になるようにしましょう。

2018.11.21(水)
文=河合 蘭
企画・撮影=深野未季

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