使うほどに愛着が湧いてくる
珠玉のハンドクラフト
●ガラス工房 清天
今や沖縄を代表する民芸となった琉球ガラス。現在、読谷村だけで8つのアトリエがあるといい、なかでも「ガラス工房 清天」は、この道約40年の熟練、松田清春さんが率いる人気工房だ。
「おばあちゃんがガラス工場に勤めていてね。僕も15歳でそこに入ったんだ」と陽気に語る松田さん。独立して現在の工房を開き、今年で18年となる。
ガラス職人の朝は早く、毎朝3時半には起床し、窯への火入れから一日が始まる。清天では、昔ながらに泡盛の廃瓶などを使用。
「昔は、泡盛の瓶ガラスが最も品質が安定していたからね。でも国産じゃないとだめ。外国のものではこうはいかないよ」
窯の中で飴状にとろけたガラスを吹き竿にからめ、息を吹き込み、成形し、そして見事な手業で仕上げを施していく。その独特の風合いとシンプルなフォルムは、日々使うほどに愛着が湧いてくる。これぞ珠玉のハンドクラフトだ。
ガラス工房 清天
松田清春さんと5人の職人が制作に励む人気工房。ガラス吹き体験(1,800円)も可能で、技の奥深さに触れられる楽しい機会だ。
所在地 沖縄県中頭郡読谷村字座喜味1352-1
電話番号 098-958-1346
営業時間 9:00~17:00
定休日 日曜、平日不定休 ※訪問前に電話を
文=矢野詔次郎
撮影=長谷川 潤