沖縄料理とは一線を画す
本物の“琉球料理”を味わう
●琉球料理 赤田風 (あかたふう)
ラフテーや豆腐餻(とうふよう)、ミミガーなど、今やすっかりおなじみのものとなった沖縄の郷土料理。そのルーツは、琉球王国の宮廷料理にあるといい、その伝統を実直に受け継ぐ数少ない名店が「赤田風」だ。
「沖縄料理の多くは、かつて宮廷で供されていたもの。王朝の崩壊とともに宮廷料理人たちが市井に下り、庶民の間に広まったのです」と語るのは店主の城間健さん。この道約40年の名匠だ。
「しかし、非常に手間暇がかかることから、次第に調理が簡略化されていき、本来のものとは全くかけ離れてしまったのです」
下ごしらえから盛り付けまで、そこにかける手間と時間はたいへんなもの。小さな一皿一皿に卓越した手仕事が凝縮し、ラフテーひとつとっても、煮上げるまでに数日を要する。だからこそ、これまでの料理との違いは最初のひと口で瞭然。琉球料理の本当の美味しさに驚き、感激することだろう。
なお、仕込みに時間がかかるため、数日前までに要予約だ。
琉球料理 赤田風
かつて琉球の王都だった首里の閑静な一角で、宮廷料理の正統を受け継ぐ稀少な一軒。味わうなら12品コースがおすすめだ。
所在地 沖縄県那覇市首里赤田町1-37
電話番号 098-884-5543
営業時間 12:00~14:00、18:00~22:30
定休日 日曜
※完全予約制(昼は4~5名から予約可)
http://www.akatafu.net/
取材・文=矢野詔次郎
撮影=長谷川 潤