近鉄奈良駅から南へ数分歩くと、東西に伸びる三条通り。こんもりとした春日山が東に眺められ、奈良漬けや墨、奈良うちわなど、奈良ゆかりの品々を扱う店舗もあって、古都らしい風情が感じられます。

 その三条通りに、2017年6月にオープンしたのが「堀内果実園」。明治時代から続く果樹農家が始めた「果物を楽しむ」がコンセプトのお店です。

 ガラス張りの明るくモダンな造り。表には色付き始めた実が香る桃の木が置かれています。

 間口は狭いのですが、中に入ると、右手の長いカウンターの上には、オリジナルのドライフルーツやコンフィチュール、シロップがずらり。生の果物や添加物の少ないラムネなどのお菓子もあって、見ているだけでも楽しそう。

 奥にはイートインできる16席のカフェスペース。なんと奥行きは13メートル。フルーツの商品を見ながら奥へ進み、カウンターで注文をするラフなスタイル。お店に流れるBGMは、果実園で録音した小鳥の鳴き声です。ドリンクやカットフルーツをテイクアウトする観光客も多い。

 奈良県五條市にある堀内果実園を営むのは、6代目の堀内俊孝さん。約10ヘクタールの土地で、柿、梅、カリン、ブルーベリーなどを栽培しています。

 減農薬、有機栽培を進め、2012年からはドライフルーツの製造も始め、コンフィチュールやシロップなど、果物の加工品にも積極的に取り組んできました。それらを使った他にはない、贅沢なフードが楽しめるのが、ここ。

 メニュー開発の中心となっているのが、フルーツアートクリエイターの肩書を持つ奥様の奈穂子さん。

「果物を楽しんで、ほっこり、にっこり。しあわせの果物を感じてもらいたい」

 果物屋ではない、生産農家ならではのこだわりがちりばめられているのです。

2018.07.08(日)
文・撮影=そおだよおこ

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