このシェフを知らずして、“今のロンドン”は、語れない!

 美食のトレンドの発信地が、フランスやスペインから変わりつつある昨今。ここロンドンでは気鋭の若手シェフたちが、フレッシュで軽やか、ナチュラルでカジュアルなガストロノミーの新しい形を提案しはじめています。そこで“ロンドン美食”を牽引する話題のシェフにフォーカス!

【第1弾 このシェフを知らずして、“今のロンドン”は、語れない!】
>>第2回 2ッ星レストランでヘッドシェフを務めた実力派

第2弾 魅惑の“The All Day Dining”
>>第3回 今やロンドンに6軒を擁するブラッセリー
>>第4回 今年2月にオープンした心地よいカフェ(7/15公開)

ロンドンから発信される新ガストロノミーを体験

コースの第1の皿。その日の朝に獲れたばかりの新鮮な英国産ホタテを片面だけ炭火焼きに。大根の桂むきと煮物、パセリソース、ホースラディッシュ・メレンゲを添えて

Viajante
ヴィアジャンテ

 今、ロンドンで最注目の新進シェフ、ヌーノ・メンデス氏の本拠地。オープンから1年でミシュランの星を獲得し、世界中から美食家が訪れる。メニューはおまかせテイスティング3、6、9、12皿コースのみ。美しく盛りつけられた小ぶりな量のディッシュが何皿も出るスタイルは、日本の懐石料理を彷彿とさせる。遊び心溢れるアミューズブッシュ、絶妙な火入れのホタテや手長エビなど魚介類、さらにイベリコ豚やボーンマロウ(骨髄)が、手間をかけたビーフブロスや繊細なソースとともに供され、素材への強いこだわりが感じられる逸品の数々に脱帽。

オープンキッチンでは、一皿一皿に最終的な盛りつけが施される
爽やかなライトブルーのチェアが印象的な店内

Nuno Mendes (ヌーノ・メンデス)

「繊細な日本料理の大ファン。懐石料理には強く心惹かれます。」

 ポルトガル・リスボン生まれ。NY「ジャン・ジョルジュ」、スペイン「エル・ブジ」など世界の錚々たるレストランで修業を積み、2010年に「ヴィアジャンテ」をオープン。昨年、レストラン賞を総なめにして大きな話題に。

Viajante (ヴィアジャンテ)
住所 Town Hall Hotel & Apartments Patriot Square, Bethnal Green, London E2 9NF
電話番号 +44-20-7871-0461
URL www.viajante.co.uk
営業時間 12:00~14:00(金~日曜のみ)、18:00~21:30
定休日 無休
テイスティングメニュー3皿コース35ポンド(昼のみ)、6皿コース65ポンド、9皿コース80ポンド、12皿コース90ポンド(夜のみ)

 

photo:Keiko Oikawa / Shu Tomioka / Haruko Tomioka
text:Yuka Hasegawa