神戸・山手の北野異人館街近く。人気のパン屋さんやチョコレートショップを巡ってから、少し足を延ばして和菓子のお店を訪ねる人が増えています。2016年10月にオープンした「和のおやつ つばきや」さんは、4坪もない小さなお店。2人も入ればいっぱいで、表には2人掛けの床几が置かれ、買ったばかりの和菓子をほおばる人も。

なつかしい雰囲気の店構え。

 「商品を並べている机は手作り。壁の漆喰も自分で塗りました」と、店主・フェルシーシ亜希子さんはにっこり。「響きが好き」というつばきを店名にした親しみやすいお店は、お菓子だけでなく、暖簾も看板も、自身が着ているエプロンも亜希子さんの手作りです。

左:ショーケースにはおはぎが並んでいます。
右:ひとつひとつ丁寧にお客さんに届けます。
おはぎを作るフェルシーシ亜希子さん。

 「自分のお店を持ちたかった」と言う亜希子さん。チュニジア人と結婚し、2011年からチュニジア料理のお店を営んでいたそう。

「今のようにフェイスブックやツイッターといった、SNSでお店のことを知ってもらえなくて」

 今なら、あっというまに話題になったかもしれません。残念ながら閉店しましたが、夢を諦めず、「神戸は和菓子屋さんが少ないから」と、独学で和菓子作りにチャレンジ。

 小豆は北海道産。砂糖は自然な甘さの洗双糖やオーガニックシュガー。おはぎの餅米は佐賀県のヒヨク餅米。スコーンの小麦粉は北海道産。使う素材にこだわって、ほっこり、優しい和のおやつ色々を完成させました。

「和のおやつ つばきや」のお菓子いろいろ。

2018.04.08(日)
文・撮影=そおだよおこ