フレンチの最高峰を極めるガストロノミー店が数多くあるパリで、小さな変革!? ラグジュアリーの粋を追求する若きシェフが提案する“日々の美食テーブル”へ。厳選した4軒をご紹介。

» 第1回 魚料理レストランとして愛された往年の名店
» 第2回 注目度No.1日本人シェフの新店
» 第3回 隠れ家ホテルで味わうモダン料理

シンプルかつダイレクトに
素材の持ち味を伝えてくれる

◆Clover Grill
  (クローヴァー・グリル)

丸ごとグリルするのは肉のみにあらず。熱々の焼きパイナップルにレモングラスのアイスクリームを添えて。16ユーロ。

 素材の持ち味をシンプルに、ダイレクトに伝える料理の人気も、今のパリの潮流のひとつ。皿の中のすべての素材が目で分かる料理への懐かしさは、どこかフランスの家庭料理に通じるものがある。

バルティック黒牛、アンガスなど4種から選ぶ熟成コート・ドゥ・ブッフ(2人前) 48ユーロ。

 大きな肉の塊を焼く休暇の庭のバーベキュー然り。それを、極上の素材と完璧な火入れ、和やかなサービスで2ツ星の人気シェフ、ジャン=フランソワ・ピエージュが味わわせてくれる新店が2017年秋に登場。

中は空洞の“コム・ユンヌ・ピッツァ” 26ユーロ。熱々の生地にのせてほんのり温まったトロの味が決め手。

 名産地ブランド牛を中心に、魚、貝は炭火と素材の距離を調節しながら焼き上げ、ブレス産の鶏や仔羊肉の塊は串に刺してじっくりグリルする。シンプルだからこそ際立つプロの技。その懐に抱かれたい。

すべての調理が見えるオープンキッチン。
店の一角は昔懐かしい壁紙で覆われ、フランスの家庭のダイニングを思わせる。

Clover Grill(クローヴァー・グリル)
所在地 6 rue Bailleul 75001 Paris
電話番号 01-40-41-59-59
営業時間 12:00~14:15、19:00~22:30(L.O.)
定休日 無休
http://www.clover-grill.com/

Text=Chiyo Sagae
Photo=Atsushi Hashimoto