欠点をカバーするためには何かがひとつ足りない?

 化粧品には、正直言って“当たり外れ”がある。でも、外れの方がむしろ多いアイテムって、今は本当に少なくなった。それだけは確か。

 しかしそんな中でも、どうもスムーズに進化が進まず、今なお“外れ”の方が多いのがコンシーラー。シミはとりあえず消えるけれど、またすぐ目立ってくる。いかにもコンシーラー塗りましたという印象で、きわめて不自然になる。もしくはそもそも消えない。目立ったまま……シミひとつカバーするだけなのに、そういう“外れのコンシーラー”に腹を立てた人が多かったはずなのだ。

 なぜ? 何かが足りないのだ。隠すための決め手が、まだ何かひとつ見落とされていたのである。その何かを発見したのが、目からウロコのこの3品だったのだ。

a 細かい部分までカバーできるスリムな形状と伸縮性に優れた柔軟な化粧膜が肌に吸い付くように密着して、シミ・ソバカスなどの色ムラをカバー。
エレガンス ドット コンシーラー 全5色 ¥3675/エレガンス コスメティックス

b「シミ部分の肌が黄色の光を強く反射してしまう」という独自の解析技術結果に基づき開発した、光をコントロールしてシミをカバーする新発想のコンシーラー。1色でどんな肌色にも対応。
アスタリフト ライトアナライジングメラノレタッチ コンシーラー SPF30・PA++ ¥3570/富士フイルム

c 視覚効果で、毛穴レスな肌にする凹凸補整化粧下地。化粧直しにも大活躍。
リファイニング ソリューションズ インスタント パーフェクター 全3色 ¥3990(4月20日発売)/クリニーク

目からウロコの発見こうしたら、欠点が消えた

 まず最初にハッとさせられたのは、エレガンスが作ったドット コンシーラー(a)。小さな点で消すからドット。従来は口紅タイプかブラシタイプ、指でつけるタイプだけしかなかったが、これは少し太めのリップライナーくらいの芯。つまり過去にないほど細い塗り口のコンシーラーなのだ。なるほど、と思った。今までのコンシーラーはシミよりも大きな面しか塗れず、ぼかし塗るものばかり。だから消えないのだ。これはシミより小さい面が塗れるから、まさにピンポイントで、周りにぼかさずにカバーできる。すると確実に隠れることがわかったのだ。色だけが合っていれば、この方法で確実に隠れるし、目立ってこない。大きな発見だ。

 次の“目からウロコ”は、富士フイルムの発見。シミが目立ち、従来の部分ファンデでは隠しにくい原因を、光の反射や物の見え方、写り方を日夜研究してきた専門メーカーだけの視点によって突き止めたのだ。シミは、正常な肌と比べ肌色の明度が低い上に、黄色の光を放っている。この事実を踏まえて作り直されたのが、アスタリフトのコンシーラー(b)なのだ。つまり黄色の光を吸収し、反射をコントロールする機能をプラス。シミのない部分の肌と同化させる、特殊な処方なのだ。確かに隠れる。アレッと不思議に思うくらい、するりと隠れるのだ。

 もう一品は、毛穴カバーのコンシーラーとも言うべき、凹凸補整化粧下地(c)。色がついた毛穴ケアで、これが本当によく隠れる。そうか、毛穴カバーは色つきになるともっとよく隠れるって、なぜ今まで気づかなかったのだろう。凹凸補整だから、シワも隠れるし、ニキビ痕もこれで。ただ隠すだけでなく、クリニークの得意とする毛穴引き締め成分が働くから、継続使用でどんどん毛穴が小さくなっていく。ともかく、隠せるか隠せないかは、ほんの少しの違いなのだ。そこに気づかされるコンシーラーの進化に、化粧品っておもしろいと、しみじみ思った。

Column

美容ジャーナリスト 齋藤 薫の美脳トレーニング

美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。

2012.05.02(水)
text:Kaoru Saito
photographs:Yasuo Yoshizawa(still life)

CREA 2012年5月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

今すぐ似合う! 等身大の名品リスト

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今すぐ似合う! 等身大の名品リスト

定価630円(税込)