厨房で食事をするような臨場感に驚く
「ベラビスタ スパ＆マリーナ 尾道」

アタックの強い料理で
瀬戸内が美食の地と実感

◆メインダイニング エレテギア

左：薪が積まれたキッチン席。
右：薪窯で表面はカリッと中はレアに焼き上げた峠下牛ロース。赤ワイン塩とわさび、ナスタチウムを添えて。

 「ベラビスタ スパ＆マリーナ 尾道」のメインダイニング「エレテギア」。

左：天然車海老は炭火で焼き、塩でシンプルに。
右：半生に火を通したブリに、ニンニクソース・アホブランコを添えて。料理はすべて12月をイメージしたディナーから。

 ユニークなのは瀬戸内を一望するダイニングと、キッチンの2つのゾーンが設けられていること。とりわけ窯を中心に料理人とゲストが同じカウンターをシェアし、まるで厨房の中で食事をするようなキッチンは臨場感たっぷり。料理というショーを観る仕掛けに、心沸き立つ空間だ。

カブのピュレを絡めた素麺にコウイカとフィンガーライムを合わせて。

 美食の地・バスクでの修業経験を持つ藤井智哉シェフをはじめ、世界の料理人が活躍するものの「味わって欲しいのはバスク料理でもイタリアンでもなく、何を食べたかが強く印象に残るような瀬戸内料理」。五感で味わう料理がここにはある。

左：イタリアンからキャリアをスタートさせた藤井シェフ。
右：客席からも見える窯の存在感は圧倒的。

撮影＝福森クニヒロ
取材・文＝大和まこ