水と緑と花のまち「山形県長井市」

水と緑と花のまち「山形県長井市」

最上川の歴史を刻む長井市で
たてもの探訪の旅に出かけよう

 東京から山形新幹線で2時間半。赤湯駅でフラワー長井線に乗り換えて35分。長井市は山形県南部、置賜地方の小都市だ。江戸時代、最上川舟運で栄えたこのまちには明治、大正、昭和と、それぞれの時代の記憶を刻み込んだ建物が今でも残っている。今と昔を行き来する、長井のまち歩きを楽しもう。

 一両きりのローカル線に揺られて
時間をさかのぼる旅へ出発

羽前成田駅に到着したフラワーライナー。桜のラッピングが可愛らしい。

 赤湯から長井へ。時間の余裕があるのなら、フラワー長井線・長井駅のふたつ先、羽前成田駅まで足を延ばしたい。赤湯から長井まで鉄道が開通したのは大正3年のこと。羽前成田駅では、その8年後、大正11年に建てられた木造駅舎を今でも大切に使っている。ノスタルジックな駅舎は、時間をさかのぼる今回の旅のスタートにふさわしい。

現在は無人駅の羽前成田駅。地元有志の人たちの手で大切に管理されている。平成27年、国の有形文化財に登録された。

 長井は江戸の昔から、最上川舟運で栄えた商業のまちだった。元禄時代、最上川上流の難所が開削され、下流まで舟が通えるようになると、長井には舟着場が設けられ、米沢領内各地から人とモノが集まってきた。まちには大きな蔵を持つ問屋や商店が立ち並び、荷を積んだ大八車が走り回っていた。

「山一醬油店」の創業は今から二百余年前。秘伝「あけがらし」はごはんのお供として大人気。

 往時の賑わいを今に伝えるのが、「やませ蔵美術館」と「丸大扇屋・長沼孝三彫塑館」。どちらも美しい庭園と蔵が印象的だ。江戸時代から続く「山一醤油店」や茅葺き屋根の金物店「鍋屋本店」をのぞいてみるのも楽しい。

◆やませ蔵美術館

商業都市・長井の
洗練された文化が堪能できる

 江戸時代から続いていた紬問屋「山清」。代々の当主が収集した美術品を、蔵を改装したギャラリーで展示している。

やませ蔵美術館
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
開館日 金・土・日曜日(11月下旬~4月上旬、8月は休館)
料金 500円

◆丸大扇屋・長沼孝三彫塑館

長井で350年続いた商家が
そのまま資料館に

 丸大扇屋は彫刻家・長沼孝三氏の生家。現在は資料館として公開されている。邸内には長沼氏の彫塑館もある。

丸大扇屋・長沼孝三彫塑館
開館時間 10:00~16:30
休館日 月曜、月末日、12月29日~3月31日
料金 300円(彫塑館)

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2017.12.09(土)

撮影=石川啓次

※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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