2018年イタリア文化首都
パレルモを一望する大聖堂の屋根の上
都市の文化的アイデンティティの保存と同時に成長、経済的発展や市民の結束などを目的に、1985年に発足した欧州文化首都制度。毎年、欧州連合によって加盟国の都市が選出されています。
そんな制度に呼応する形で、イタリアでも「イタリア文化首都」制度が2014年からスタート。イタリアの省庁のひとつ、文化財・文化活動およびツーリズモ省が毎年、イタリアの1都市を選出します。
来年、2018年はシチリア州の州都パレルモ。イタリアで唯一イスラム、ラテン、ビザンチン文化の融合を果たした12世紀の世界遺産が彩る街で、さまざまな文化イベントが開催される予定です。それでなくても歴史遺産満載の街の見どころが、2018年はさらに増えそう!
そんな業界内外で注目集まるパレルモを訪れるなら、まずはここから始めたいのがノルマン王宮と大聖堂カテドラーレ。
どちらも「アラブ・ノルマン様式の建造物群」として世界遺産に登録されており、長く複雑なパレルモの歴史を知るための代表的なスポットですが、煌びやかな金のモザイクが飾るノルマン王宮に比べ、さらっとスルーされがちな大聖堂。壮大な外観をもちつつも、ネオクラシック様式の内観がイマイチ地味なせいかもしれません?
しかし、パレルモ大聖堂カテドラーレの見どころは、外観のみにあらず。内部の奥や地下、そして上にも!
特に、ここ数年恒常的に入場可能になった屋根が人気。人は高いところに登りたくなるものなのでしょうか。ローマのサン・ピエトロ大聖堂、フィレンツェの大聖堂、ミラノの大聖堂……などなど、イタリア各地の登れる大聖堂シリーズに加えたいパレルモの大聖堂。“高所恐怖症お断り”の爽快な景色が楽しめます。
文・撮影=岩田デノーラ砂和子