キプロス島は、地中海の東端に浮かぶ小さな島。世界遺産に登録された街パフォス、境界線で分断された首都ニコシア、民芸品で知られるレフカラなど、見どころがいっぱい。このキプロスを、たかせ藍沙さんがレポートします。
第5回は、標高800メートルほどの高地に位置する村、オモドスを訪れます。
オモドス村で焼かれるパンの
賞味期限は何と1年後!
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島国キプロスの中央部のトロードス地方は、標高1951メートルのオリンポス山を頂点とする山岳地帯。山あいには小さな村があり、昔ながらのキプロスの暮らしを垣間見ることができる。
トロードス南部の標高約800メートルの場所にあるオモドス村もそんな小さな村のひとつ。古くからワイン造りが盛んな村として知られている。
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最初に訪れたのは「ジョージズ・ベーカリー」。店先にはパンや蜂蜜が並び、試食もできるようになっている。さっそくひとつ口に入れると、予想外に固かった。カラカラに乾燥していた。油分が少なくほんのり塩味がするシンプルなパンだ。
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店内に入ると大量に並んでいたのはドーナツ型の丸いパンとスティック型の細長いパン。それぞれに、弾力があるものと、乾燥していて賞味期限が1年後(!)のものがあった。後者はそのまま食べてもいいし、水を含ませて軽く焼いて食べてもいいとのこと。
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右:オーナーのジョージさん。こちらのパンは焼きたてで柔らかい。
外で試食したのは後者のほうだったのだ。店の奥には巨大なオーブンがあり、次々とパンが焼きあげられていた。賞味期限を気にしなくていいので、村人の胃袋を満たすだけでなく、観光客にも大人気のパンなのだ。これから村を歩くというのに、ついかさばるパンを買ってしまうという、困ったことになった(笑)。
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George's Bakery
(ジョージズ・ベーカリー)
所在地 1 Octovriou, 9 Omodos, 4760 Limassol
電話番号 99-411207
https://www.facebook.com/Georges-Bakery-Confectionery-Omodos-1465678410366191
2017.10.31(火)
文・撮影=たかせ藍沙