気になる世界の街角から

気になる世界の街角から

スイスの大自然に囲まれる湖畔の街
トゥーンで優雅な休日を

透明度の高い川の水面も美しい

 短いスイスの夏も終わり、山々には秋の気配を感じる時季となりました。大きな青空とまぶしい太陽を楽しめるのも今年はこれが最後(!?)と、夏を惜しんでベルン州中央部に位置する湖畔の街、トゥーンへ出かけてみました。

カヌーを漕ぐ学生さん。青春してます(笑)。

 雄大な絶景で知られるインターラーケンの西に位置するトゥーンへは、チューリッヒからIC(特急列車)に乗って約1時間20分。青く澄んだ水に癒やされるトゥーン湖の最西端にある、ベルナーオーバーラント地方への観光拠点となっている街です。

スイス各地からの特急列車も停車するトゥーン駅。

 先史時代にまでさかのぼる歴史を誇り、12世紀にはベルンと同じくツェーリンゲン公によって高台に城が築かれ、大いに発展しました。現在も湖とアーレ川のほとりに美しい街並みが広がり、中世の雰囲気を色濃く残しています。

 市庁舎のある広場や、そこから続く上下2段になった歩道、川沿いに並ぶレストランやカフェなど、旧市街には古き良き時代の風情がたっぷり。ブラームスやパウル・クレーら、芸術家たちが散策した往時に思いを馳せながら、のんびり街歩きを楽しんでみてはいかがでしょう。

 また、歴史博物館として公開されているトゥーン城、1階がレストランになっていて観光客に人気のシャダウ城のほか、オーバーホーヘン城、ヒューネック城など、湖畔に点在する古城はどれも魅力的。トゥーン湖クルーズと合わせれば、優雅な旅を楽しむことができます。

湖畔の芝生広場でのんびり日光浴。湖の向こうに、アイガー、メンヒ、ユングフラウの名峰が見えます。

 トゥーンの必見スポットといえば、1726年に建設され、1978年に全面改装された美しいシェアツリンシュロイゼ橋。水門の役割も果たしており、トゥーン湖から流れ出したアーレ川の水位を調節しながら発電もしています。

 真夏の暑い日には、この急な流れを利用してショートボードのサーフィンを楽しむ若者もいるのですが、今回訪れた9月初旬は、ここ数日お天気が悪かったせいもあって水が冷たく、誰もいませんでした……残念!

左:水音が響きわたり、マイナスイオンもたっぷり出ていそう。
右:木造の水門橋の中は、歩いて渡ることができます。

 お天気の良い日は、ベルナーオーバーラント地方の山々から溶けだした氷河の成分が川の水と混ざり合い、太陽の光を反射した水面はエメラルドグリーンに。うっとりしてしまうほど綺麗です。週末には、この橋を通り抜けて川沿いをお散歩する人々がたくさんいます。

橋から眺めたトゥーンの街並み。
透き通って冷たい水のなかを悠々と泳ぐ魚と鴨。

 川沿いの公園には、無料の本を提供するスペースがあります。気に入った本があったらそのまま自分のものにしてもよし、元に戻してもよし。自分の本をこの本棚に寄贈することもできます。なんとも自由ですね。治安の良いスイスならではでしょうか。

 また、川沿いのお散歩コースから眺めるトゥーン城や教会も素敵。レストランやカフェもたくさんあるので、水に癒やされながらゆったりと時間を過ごすことができます。

左:その名も「ビューヒャーシュランク」。日本語に訳すと「本棚」です。
右:スイス国旗やベルン州旗がはためく旧市街。

<次のページ> 中世の趣を残した旧市街をぶらぶら散歩

2017.09.28(木)

文・撮影=西村志津

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