中世の趣を残した旧市街を
ぶらぶら散歩

 旧市街は中世の趣を残しつつ、おしゃれなブティックや、流行りのビオショップなどがあります。歩道が2階層になっているところもあり、1階と2階に別々のお店が並ぶ、とても珍しい構造の街並みです。

街の中心となる広場には、16世紀に建てられた市庁舎が。
三角帽子みたいな屋根がかわいいトゥーン城。

 ベルンと同じくツェーリンゲン公によってつくられたトゥーンの街は、12世紀創建のトゥーン城を中心にして旧市街が広がり、現在このお城は歴史博物館となっています。地元でつくられた古い陶器や武器、生活道具などが展示されています。

 海がない国スイスでは、夏にはプールや湖で泳ぐのが定番レジャー。トゥーン湖のほとりにもスイス人にはお馴染みの「STRANDBAD」、日本語に直訳すると〈ビーチのバスタブ〉、湖畔にある屋外プールです。6フランの入場料を払って中に入ってみると……。

STRAND(=ビーチ)、BAD(=バスタブ)を意味する人気施設。
結構な高さの飛び込み台。勇気を出してチャレンジしてみて!

 雄大な山々に囲まれた素敵な風景のなかに、飛び込み台付きのプールがあります。湖畔には、スイスでは珍しい人工の砂浜もあって、ビーチバレーを楽しむ人や砂遊びをする子どもたちも……。

 海と違って泳いだあともシャワーなしでいいのが、水がきれいなスイスの湖のいいところ。今回は好天に恵まれたので、湖の向こうには、「アイガー」「メンヒ」「ユングフラウ」の名峰三山も見ることができました。きっと今日も登山者が頂きを目指していることでしょう。

湖畔でビーチバレーができるのも、スイスの避暑地ならでは!?
こぢんまりとした湖の人工ビーチ。夏の週末は、たくさんの子どもたちでにぎわいます。

 のどかな芝生のデッキチェアで読書したり、アクティブにカヌーやSUP(スタンドアップパドル)を楽しんだり、ここでしか見られない風景を満喫したり……。ぜひ、来年の夏は、こんなスイスの避暑地の楽しみを、トゥーンで体験してみてはいかが?

 日本人にも人気のシュピーツやインターラーケンの絶景を満喫するクルーズも、この街を拠点に楽しむことが可能です。お天気の良い日に船上のオープンデッキに座って、風を感じながらユングフラウ山と湖、山間にたたずむ小さな村を眺めると、とってもいい気分になれますよ。

日本でも流行っている「SUP(スタンドアップパドル)」。波のない湖だから、誰でも簡単に楽しめます。
子ども用のプールも完備しています。

西村志津(にしむらしづ)
山に魅せられ、日本山岳ガイド協会認定の登山ガイドとなる。2012年の結婚を機にスイスへ移住。コーディネーターやハイキング・スキーガイドとしてスイスと日本の架け橋になる活動に努める。一方で心と身体の健康を伝えるべくヨガインストラクターとしての一面も持つ。現在、子育てにも奮闘中。共訳書に『マッターホルン最前線』(東京新聞出版局)。

Column

気になる世界の街角から

世界の12都市から、何が旬で何が起きているかをリポートするこのコーナー。
その街に今すぐ飛んで行きたくなる情報ばかりです!

文・撮影=西村志津