スキーをしない人でも大感動!

 真っ白な山と青空のコントラストが素晴らしいスキーシーズン。スイスが誇る名峰アイガー、メンヒ、ユングフラウのベルナーオーバーラント三山が眺望できる、グリンデルワルト地方のスキー場をご紹介します。スキーをしない方も登山電車に乗って、夏とは違う白銀の世界を体験できますよ。

 まずは、チューリヒやジュネーヴからの列車が停まるインターラーケン・オスト駅から登山電車に乗り、ラウターブルンネン駅を経由して、クライネシャイデッグ駅を目指しました。

白銀の世界のなか、ゴトゴト走る登山電車。

 絶好のお天気のなか、さらに、赤い登山電車はヨーロッパで一番高い鉄道駅であるユングフラウヨッホ(標高3454メートル)に向かいます。

 途中、トンネルのなかにあるアイスメーア駅にて約5分間停車、ここですでに標高3160メートル! 駅の窓からはシュレックホルンの山並みが目前に広がります。以前は手前のアイガーヴァンド駅でも停まりましたが、この冬からは通過することになりました。

左:アイスメーア駅から眺めるシュレックホルンの絶景。
右:ユングフラウヨッホ駅にある鉄道王の像。
澄みきった青空に美しい姿を見せてくれたアレッチ氷河。

 ユングフラウヨッホ駅に到着すると鉄道王のアドルフ・グイエ・ツェラーがお出迎え。本日の気温はマイナス14度。雲ひとつない最高のアレッチ氷河の景色です! 全長約24キロといわれ、春になって氷河のクレバスが埋まるころになると、反対側の谷まで行くスキーツアーも可能です。

 駅から地中エレベーターに乗ってスフィンクス展望台にあがると、メンヒが目の前にそびえています。

左:ベルナーオーバーラント三山のひとつ、メンヒ。
右:幻想的な氷の宮殿。

 駅の地下には、氷河を削って作られた「氷の宮殿」も。ひんやりとして、幻想的な氷の層を見ると、長い長い地球の歴史を体感します。

 そして、雪原に出ると、ユングフラウヨッホが岩の中に作られていることがよく分かります。ベルンの方角を眺めると雲の中。雲海に覆われています。そう、来る時はずっと曇りでウェンゲン辺りから霧が少しずつ晴れてきて、山に上がるとすっかり青空。今の天気を山上から眺められるのも壮大です。

 再び登山電車に乗って戻り、今度はアイガーグレッチャー駅で下車。ここにある「レストラン・アイガーグレッチャー」は、「ケーゼシュニッテ(チーズトースト)」や「ウィンナーシュニッツェル(カツレツのようなお料理)」が有名で美味。いつもこれらですっかりお腹がいっぱいになってしまって食べられなかったケーキを本日はオーダー!

一度食べてみたかったクレームシュニッテ。

 ホームメイドのクレームシュニッテ、絶品でした! 少しお酒の味がすると思って尋ねてみるとプラムのシュナップス(蒸留酒)が入っているとのこと。ほかにチョコレートケーキもお勧めです。

 レストランの窓からの景色も素敵で、目の前のユングフラウが大きすぎて贅沢。大感動です。

文・撮影=西村志津