刑務所がラグジュアリーホテルに変身!

鮮やかなイエローの外壁は、刑務所当時と同じ色なのだという。

 「フォーシーズンズ ホテル イスタンブール アット スルタンアフメット」は、旧市街のアヤソフィアから徒歩3分という抜群のロケーションにある。歴史ある建物を改装してオープンしたホテルだ。その歴史というのが、刑務所というのだから驚きだ。しかも、1970年まで実際に使われていたという。建物の外壁の鮮やかなイエローは、当時の色のままだそうだ。

一部の渡り廊下にはガラスのガードが。冬はけっこう冷えるので、テラスもクローズしている。

 刑務所としての面影というと、中庭を四角く囲んだ造りだろうか。ところどころにオリジナルの壁や柱が残されているが、刑務所を想像するのは難しい。それほど、完璧なまでにラグジュアリーに仕上げられた素晴らしいホテルなのだ。

海を望むベランダが人気のマルマラ・スイート。スイートはそれぞれインテリアが異なり、鮮やかなブルーの壁と天蓋付きベッドはこの部屋だけのもの。

 客室は、11室のスイートを含む65室。専有面積は42~130平方メートル。トルコの「キリム」と呼ばれる手織りのじゅうたんをはじめ、インテリア、家具はすべてトルコの手工芸品。全室に大理石のバスタブ付きのバスルームがあるので、夜はゆっくり休むことができる。

スイートのアメニティはブルガリ。フォーシーズンズオリジナルのグルーミングセットも。メガネを置いていたら、翌日、メガネ拭きとスプレーを用意してくれた。
客室にサービスされるトルコスイーツ。ドライナッツとドライフルーツ以外は、かーなーり甘い!
シェフのオススメメニュー。手前からビーフシチュー、鴨肉のソテーパイ皮包み、アーモンドクランブルのダブルソース。デザートは、中央のストロー状の棒を持ち上げると、中から2種類目のソースが出てきて「ダブルソース」となる演出が楽しい。

 客室には、バスローブとは別に、クローゼットに寝間着用のYUKATA(浴衣)が。日本人にとっては馴染みがあってうれしいサービスだ。スイートルームのバスアメニティは「ブルガリ」。スイートによってはスチームバスがあり、アカスリ用ミトンも備え付けてあるので、ハマムに出かけて行かなくても自分でアカスリを済ませることもできる。

 朝のレストランではバラエティ豊かなチーズ、パン、野菜、フルーツなどのビュッフェのほかに、卵料理や温かいトルコ料理もオーダーすることができる。ついつい長居して食べ過ぎてしまうのでご注意あれ(私はゆっくりしすぎた、笑)。

 館内にはいたるところに心地いいスペースが造られている。旧市街を歩き疲れたら、ホテルに戻ってひと休みしたくなるのは、ロケーションの良さと心地よさを兼ね備えているから。

左:バーの奥の階段を数段上がった場所にある小部屋。昼も夜も居心地のいいスペースだ。
右:オリジナルカクテルは、その名も「プリズンローズ」。ローズウォーターが使われていて、グラスの縁には真っ赤なバラの花びらが。ここにイケメンがいれば完璧なのだけど(笑)。

 館内に本格的スパはない。「フォーシーズンズと言ったらスパでしょう!」と思いきや、歴史的建造物なので大きな改装ができないのだという。だからプールも造ることができない。地下にフィットネスジムとトリートメントルームがあるのみ。

 スパを楽しみたいというのなら、同経営のボスポラス海峡に面した場所にある「フォーシーズンズ ホテル イスタンブール アット ザ ボスポラス」へ。ハマムもあるし、レセプションやタクシーの手配もしてくれる。イスタンブールでふたつのホテルを同時に楽しめるのはフォーシーズンズならではだ。

Four Seasons Hotel Istanbul at Sultanahmet
(フォーシーズンズ ホテル イスタンブール アット スルタンアフメット)

所在地 Tevkifhane Sokak No.1, 34122 Sultanahmet-Eminönü, Istanbul, Turkey
電話番号 0212-402-3000
URL http://www.fourseasons.com/istanbul

2016.01.12(火)
文・撮影=たかせ藍沙