おいしいものの宝庫、有機農業協同組合へ

左:倉庫の一角をショップコーナーとして開放。
右:毎週木曜日の午前は一般消費者も買い物ができる。

 ラ・テラ・エ・イル・チェロ(大地と空の意味)は1980年に設立された有機農業協同組合で、現在、約110軒の有機農家が加入している。内、9割強は州内の農家だ。一軒の農家でできることは高が知れていても小さなつくり手が集まれば大きな力になる。ラ・テラ・エ・イル・チェロはそれぞれが得意とする農作物をとりまとめ、およそ140種ほどの食材に加工し、有機食材専門店やスーパーに出荷しているのだ。エンドユーザー向けのショップはないが、毎週木曜日は一般の消費者でも買い物ができるよう倉庫の一角を開放している。

左:トマトとオリーブオイルはイタリア料理定番の食材。ラ・テラ・エ・イル・チェロのオリーブオイルはまろやかで上品な風味。トマト缶は甘みと酸味のバランスが絶妙だ。
右:本社2階はバイヤー向けのショールームになっており、メイン商品が並べられている。

 ローマ郊外にある私の自宅からは車で2時間半ほど。ちょくちょく足を運べないのが残念だが、パスタや豆類、スペルト小麦や玄米、トマト缶やオリーブオイルは日持ちするので、ここぞとばかり、車のトランクいっぱいに大量買いをした。世界の終わりが来ても半年以上は生き残れるほどの量である(苦笑)。

ラ・テラ・エ・イル・チェロの職員たちと食卓を囲んで。買い物に来たつもりが、すっかりランチまでご馳走になり……。

 不況が続くイタリアにおいて、現在、利益を伸ばしている数少ない業種のひとつが有機農業関連の産業と言われているが、ラ・テラ・エ・イル・チェロは、まだ有機や無農薬といった概念が一般に浸透していない時代に自然農法や有機栽培に着目し、地道に市場を拡大してきた。その先見の明が今になってやっと実を結んだと言えるだろう。

社食でご馳走になった、トマトソースのスペルト小麦スパゲッティ。
シンプルなグリーンサラダのほか、クセがなく口当たりのよい地元産のチーズをいただいた。
シンプルなトマトソースは色々な料理に使えるので、つくり置きをしておくと便利だ。

 商品の4割は海外に輸出されているらしいが、私が日本で彼等の食材を愛用していることを伝えたら一気に話が盛り上がり、歓迎ムードに様変わり。大量買い占めの後は、職員や社長と共にスタッフの女性がつくった手料理を社食でご馳走になり、食卓を囲みながらの楽しいひとときを過ごしたのだった。

マルケ州公式ホームページ(日本語版)
URL http://italy-marche.info/

ラ・テラ・エ・イル・チェロホームページ(日本語版)
URL http://www.laterraeilcielo.jp/about%20laterra.php

村本幸枝 (むらもとゆきえ)
株式会社アッティコ代表。1986年、はじめてイタリアへ渡る。その3年後、ローマに移住。現在は東京と自宅のあるローマ郊外ブラッチャーノ湖の湖畔で年の半分ずつを過ごしながら、イタリアではTV・雑誌の撮影およびイベント・企業視察のコーディネートを手がけ、東京中央区では日伊文化交流サロン「アッティコ」を主宰し、イタリア関連の講座・イベント・セミナーを開催している。
日伊文化交流サロン「アッティコ」:http://www.attico.net/

Column

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文・撮影=村本幸枝(アッティコ)