超絶技巧工芸、明治日本 VS 中国!

並河靖之「藤草花文花瓶」

 これら明治の超絶技巧工芸を展示する美術館はまだ多くないが、七宝の名人で、帝室技芸員にも任命された並河靖之の作品を所蔵し、市や国の文化財になっている明治時代の並河靖之の旧邸宅・庭園を保存する京都の「並河靖之七宝記念館」は、その貴重なひとつ。7月21日まで春季特別展『七宝の花卉』と題し、花鳥を題材にした七宝作品、またその繊細な下画を紹介している。

重要文化財「青花花卉文皿」景徳鎮窯 中国・明時代(15世紀) 根津美術館蔵

 こうなると、長年日本が手本にしてきた中国の工芸が気になるはずだ。もちろんご期待通り、中国はまさに超絶技巧工芸の「本場」であり、明~清時代には色彩豊かな工芸品が数多く作られ、日本へももたらされた。根津美術館のコレクションの中から、白と青の対比も鮮やかな染付の陶磁器、朱や黄の漆を厚く塗った後、繊細な彫りを施した彫漆、豪華な金襴の織物など、目の眩むような約50点が出展される。

春季特別展『七宝の花卉』
会場 並河靖之七宝記念館
会期 2014年3月18日(火)~7月21日(月・祝)
料金 一般600円(税込)ほか
電話番号 075-752-3277
休館日 月・木曜日(祝日の場合は翌日振替)
開館時間 10:00~16:30
URL http://www.kyoto-namikawa.jp/

コレクション展『カラフル─中国・明清工芸の精華─ 』
会場 根津美術館
会期 2014年5月31日(土)~7月13日(日)
料金 一般1,000円(税込)ほか
電話番号 03-3400-2536(代表)
URL http://www.nezu-muse.or.jp/

橋本麻里

橋本麻里 (はしもと まり)
ライター/エディター。1972年生まれ。明治学院大学非常勤講師。近著に『変り兜 戦国のCOOL DESIGN』(新潮社)、共著に『チェーザレ・ボルジアを知っていますか?』(講談社)、『恋する春画』(新潮社)など。

Column

橋本麻里の「この美術展を見逃すな!」

古今東西の仏像、茶道具から、油絵、写真、マンガまで。ライターの橋本麻里さんが女子的目線で選んだ必見の美術展を愛情いっぱいで紹介します。 「なるほど、そういうことだったのか!」「面白い!」と行きたくなること請け合いです。

2014.05.10(土)
文=橋本麻里