気になる世界の街角から

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そんなところに赤ん坊? プラハのシンボル
奇怪な「タワーパークプラハ」

まるで宇宙ステーション! プラハ市内でいちばん高いタワー

 1989年に共産主義が崩壊してから、チェコの歴史は日々変化してきました。それまで国営だった施設のほとんどが民営化され、西側諸国からの新しい風も入ってきて、街の雰囲気も随分変わってきたのです。それ以前は不可能であった奇抜なデザインや資金をかけた建築、そういった自由な新しい発想が可能となっていきました。

 そんな時代のなか、プラハのシンボルとして建築されたのが、現在「タワーパークプラハ」と呼ばれているプラハのTV塔です。プラハに9つあるといわれる丘のひとつ、ジシュコフ(Žižkov)の丘の上にそびえ、プラハ市内でいちばん高い建物でもあります。高さは216メートル、市内の色々な場所から見られるニョキッと飛びでたタワーは存在感があり、あたかも宇宙ステーションや宇宙ロケットのような異質な外観が、プラハの歴史的・古典的な街並みにまったく溶けこんでおらず、夢をみているような不思議な錯覚をおこさせる威力があります。

宇宙ステーションのような不思議な外観。タワーの下半分をよーく見ると黒い粒のようなものが?

 建築がはじまったのは、共産主義時代末期の1985年。そして完成は、新生チェコになった1992年。建築家ヴァツラフ・オーリツキー氏とジリー・コザック氏のデザインに基づいて建設されました。2000年にはチェコでは有名なアーティスト、ダヴィッド・チェルニー氏(外部サイト)によって、タワーの表面を這う赤ちゃん(作品名:The Babies)が付け足されたほか、2011~2012年には新しい建築家やデザイナーが関わって、外観の雰囲気とマッチするような総合的なリニューアルプロジェクトが実施されています。

アーティストDavid Černý氏による黒い赤ちゃん。タワーをまるで空に向かって這っているような……。

 タワーの近くに行ってみると、赤ちゃんの姿に唖然……なんと色は黒、そして顔はのっぺらぼう。その意味は作成した本人のみが知るなんとも奇怪なこのアート、当初は一時的に展示される予定の作品でしたが、その後すっかりタワーの顔となり、永久的にタワーに展示される結果となりました。ちなみにダヴィッド氏は、ほかにも色々と奇抜な作品をプラハの街中に展示していますので、それらを探しながらプラハの街歩きも楽しいかもしれません。

 タワー内部には、さまざまな施設が用意されています。地上93メートルの展望フロアからはプラハの美しい景色を360度眺めることができます。営業時間は8時から深夜0時までですので、昼間の美しい景色だけでなく、ロマンチックな夜景も見逃すことができません。プラハには展望タワーはいくつもありますが、これだけ範囲が広大なパノラマビューはこのタワーに限られるでしょう。

昼間はプラハじゅうが見渡せます。
うっとりしてしまう美しい夜景は宝石箱のようです。

 また展望フロアにはバブルチェアーと呼ばれる椅子が設置されたレストルームも用意されています。この椅子に座って目を閉じると、プラハの音が聞こえてくるかのよう。1000年以上の歴史のある古都プラハを目でも耳でも満喫することができます。旅の疲れを癒しながらゆっくり過ごされてはいかがでしょうか?

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2014.04.10(木)

文・撮影=クレメントゆみ子

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