「La Plage」のフレンチを目当てに島を訪れる価値あり

 新潟ガストロノミーアワードを受賞した「Ryokan 浦島」は、佐渡で注目のオーベルジュ。浜辺に面した1階にフレンチレストラン「La Plage」があり、人気を得ているのが、島黒豚や佐渡牛を使った優雅なフルコース。新鮮な魚介や季節の野菜など佐渡の食材をふんだんに盛り込んだメニューで、これを目当てに島を訪れるファンも多いそう。

 「La Plage」で腕を振るうのは、須藤良隆シェフ。調理学校で和洋中を学び、渡仏。フレンチの巨匠率いるリヨンの「ポール・ボキューズ」で研鑽を積み、帰国後、浦島に新設された「La Plage」の厨房へ。

 「海も山もある自然豊かな佐渡は、まさに食材の宝庫。90%が地のもので、その日仕入れたものからメニューを考えるのですが、魅力的な素材が多すぎて悩むこともあります(笑)。『佐渡ってこんな食材があるの?』とか、地元の方でも『こんな食べ方があるんだ』と発見のある一皿を心がけています」と須藤シェフ。食材選びはシェフ自ら農家さんや漁師さんといった生産者のもとへ足を運んだり、山で見つけたりしているそう。

 なかでも、島内の放牧によってストレスのなく育てられた島黒豚は、きめの細かい肉質と上品でうまみの強い脂身が特長で、パテやコンフィなどでいただけます。この日は希少な佐渡牛もじっくりと火入れしたステーキで登場。肉質はとびきりやわらかく繊細で、あっさりまろやかな味わいに思わずうっとり。須藤シェフが山で摘んできたナツハゼの野性味ある甘酸っぱい赤ワインソースともよく合います。

 この島ならではの新鮮で質のいい魚介に、香りがよくて味が濃い、採れたての野菜やフルーツなど、美しいフルコースでいただくと一つの物語を味わっている心持ちに。

La Plage(ラ・プラージュ)

所在地 新潟県佐渡市窪田978-3 Ryokan 浦島 東の館1F
電話番号 0259-57-3751
営業時間 11:30~14:00、17:00~20:30
https://www.urasima.com

佐渡の自然に包まれる「Ryokan 浦島」

 料理のみならず、建築にもこだわった「Ryokan 浦島」での宿泊体験は、過ごすだけで芸術体験といえます。遠浅で穏やかな浜辺を眼下に望む立地に、それぞれ異なる建築家が設計した建物。佐渡の自然と調和した「東の館」は内藤廣氏が、ガラス張りでモダンな「南の館」を北山恒氏が設計を手がけています。

 今回宿泊したのは東の館。部屋へとつながるアプローチには絵画や休憩できる椅子なども配置され、ゲストを優しく迎えてくれます。部屋の窓を開ければ、眼下に松林と真野湾が広がり、波の満ち引きの音が静かに響きます。朝は太陽の光が松林に反射してキラキラと輝く光景も楽しめます。

Ryokan 浦島

所在地 新潟県佐渡市窪田978-3
電話番号 0259-57-3751
料金(1名) 15,400円~(1室2名利用、朝食付き)、22,000円~(1室2名利用、夕・朝食付き)
客室数 東の館 17室、南の館 20室
チェックイン 15:00/チェックアウト 10:00
https://www.urasima.com

2023.12.19(火)
文=大嶋律子(giraffe)
写真=鈴木七絵