そして自分が食べたい平打ちで太麺のそばを作ってくれる製麺屋を探して交渉し、出汁やねぎ、豚の仕入れ先にもこだわって独自のルートを見つけて行き、2020年11月、草加に「肉蕎麦むね」を開店させた。折しもコロナ禍真っただ中。女将の美佐子さんは「こんな時期に大丈夫なのか不安だった」という。しかし、やると決めたら突っ走る在棟さんの信念は微動だにせず。

 足立保塚店を2021年7月に、そして2022年9月1日に町屋店をオープンさせた(草加店は契約などの関係で2022年10月に閉店)。

丁寧な味の「冷肉蕎麦」が誕生

 そんな話をしていると「冷肉蕎麦」と「焼きおにぎり」が登場した。結論からいうと「冷肉蕎麦」は素晴らしい出来栄えで、「角萬」のそばとはまた違う方向の味をしっかりと演出していることが分かった。「焼きおにぎり」は女性スタッフ達の渾身のアイデア満載の味であった。

 まず登場した「冷肉蕎麦」のつゆをひとくち。鰹節を中心とした出汁がじんわりと利いた返しのしっかりとした味である。冷しだがそれほど冷たくないのは「角萬」に近い。やや長めに切って火を通してあるネギがバラ肉の上にたっぷりのっていて、シャキっとした歯ごたえがよい。バラ肉は柔らかく厚みがあり大きさもそろっていて、噛むと甘味が広がる。そばは「角萬」よりは細めだが、コシはむしろ強い。茹で時間は7分だとか。全体的にまとまっていて丁寧できれいな仕上がりである。薬味の長ネギや七味を振って味を変えて食べていく。

そばの量は「キング盛り」まで

 そばの量はお好み次第で増量できるという。そばは普通で200g(茹で上がり300g)だ。メニューをみると大盛り(300g、茹で上がり450g)、特盛り(400g、茹で上がり600g)。さらにメガ(500g、茹で上がり750g)、テラ(700g、茹で上がり1050g)、キング(1000g、茹で上がり1500g)まであるそうだ。テラとキングの皿を見せてもらったが強烈な大きさだった。

2023.11.01(水)
文=坂崎 仁紀