俳優として『あの日々の話』や『もうひとつのことば』などさまざまな映像作品に出演してきた大森亜璃紗が初監督・脚本を務めた映画『四人姉妹』が公開中だ。

 作品は第16回田辺・弁慶映画祭で俳優賞を受賞。映画祭の受賞作品を上映する「田辺・弁慶映画祭セレクション2023」で8月17日(木)にテアトル新宿、9月6日(水)にシネ・リーブル梅田にて上映される。

 初監督を務めた大森亜璃紗に話を聞いた。


コロナ禍がきっかけで昔からの夢に一歩踏み出すことができた

――元々俳優として活躍されていた大森さんですが、ご自身で作品を監督しようと思ったきっかけはなんだったんですか。

 実は、俳優になる前から、作品を自分で作りたい、クリエイティブなことをしたいという気持ちは強かったんです。役者の仕事をしながらも、短編戯曲を書いたりしていました。いつか自分で作品を撮りたいという気持ちで。

 実際に自分でお芝居をすることが制作の参考にもなるし、まずは役者として頑張っていこうと初めてみたら、お芝居の面白さにすっかり魅了されてしまって。

 そうして俳優として過ごす中で、いろんな監督さんや脚本家のかたとお会いする機会をいただいて。私にはこんな面白いものは書けないんじゃないか、と感じているうちにいつしか自分自身で作品を作るということは頭からなくなっていました。

 そんな中、2021年にコロナ禍があって。突然仕事も出来なくなり、ぽっかりと時間が空いてしまった時に、ふと、忘れていた夢を思い起こしたんです。こんな機会だし、トライしてみてもいいんじゃないかなって筆をとりました。

2023.08.17(木)
文=CREA編集部
写真=今井知佑