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丹後の食材と酢を取り入れた唯一無二のイタリアン

 イタリア語で“酢”を意味する店名を冠したこちらは、「飯尾醸造」が手がけるイタリアンレストラン。食材と自然に恵まれた宮津の地を世界へ広めるため、飯尾醸造の5代目が東京からシェフを招き、2017年にオープンさせました。

 約120年前に建てられた商家をリノベーションした建物は、欄間や襖、障子などの建具をそのまま活かした趣のある佇まい。昨年6月には、中庭を挟んだ離れに鮨割烹「西入る」がオープンし、宮津の食文化の発信基地として注目を集めています。

 「すっぱい想い出を あなたに」をテーマに、丹後の魚介や無農薬で育てた棚田米、お酢を用いた料理を提案。メニューは11,000円~のコースのみで、前菜からデザートまで物語のある12皿が堪能できます。

 スペシャリテの「丹波の黒豆入り玄米リゾット」は、棚田で栽培した玄米を使用。魚介の旨味たっぷりのだしで炊き、バターの代わりに米ぬかでとろみを付けて、3日寝かせて発酵させた滋味深い一品です。

 メニューは日替わりで、旬の魚と野菜が中心のシチリア料理が楽しめます。お酢を使ったドリンクとも相性抜群で、お酢のもとになる酒「純米富士酒」はここでしか味わえない稀少なもの。たくさんの初めてに出会える、記憶に残るディナーになること間違いなしです。

aceto

所在地 京都府宮津市新浜1968
電話番号 0772-25-1010
営業時間 18:00~23:00(20:30最終入店)
定休日 月・火曜
https://www.aceto.jp/

2023.08.12(土)
取材・文=田辺千菊(Choki!)
撮影=志水 隆