『BKBショートショート小説集 電話をしてるふり』(バイク川崎バイク)
『BKBショートショート小説集 電話をしてるふり』(バイク川崎バイク)

 BKBこと、バイク川崎バイクです。

 まず、こんな『水素水』みたいな名前のピン芸人の初めての拙い書籍をお手に取ってもらい、ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。

 芸人BKBの著書として読んでくださった方もいれば、純粋に短編小説に興味をもって読んでもらった方、様々だと思われます。

 BKBの著書という認識で読まれた方には、さぞかし脳内にBKBの奇抜なビジュアルなどがチラチラ浮かんで、読みづらい状況に陥ってしまったかと。お察しします。BKBの認識なく読んでもらった方は、本当、小説がお好きなのですね。素敵です。

 小説を読み慣れた方にとっては文章表現が甘かったり、予測できるオチの作品もあったりしたかもしれません。ただ、意識したのは、誰が読んでも『スッと読みやすい文体で書く』ことと、『ショートショートに慣れていない人にもわかりやすい作品も混ぜこむ』ことでした。

 さて、なぜ短編小説を書いたのかというと、“昔からこういうのが好きだったから”が月並みですが一番の理由です。ミステリー小説や叙述トリックの含まれたお話を読むのは好きでしたし、書くことにも興味はありました。オチにやや意外性があり、なおかつ短い話、それならお笑いのファンの方もそうじゃない方も、そして活字の苦手な方にも広く読んでもらえるかも。その思いに、2020年の春、緊急事態宣言発出で家に2ヶ月ほどいないといけない、そんな状況が加わり、本腰を入れてみました。

 50日くらい毎日、毎朝8時19分(バイク)『note』という媒体に投稿する日々。徐々に反響も広がって嬉しい反面、「芸人が毎日なにをやってるんだ、おもしろ動画とかあげるべきでは?」と冷静に考えてしまうこともありましたが、「BKBがこんな話を書いてること自体が壮大なボケになってる」なんてトンチみたいな称賛の言葉を、同期のしずる村上に言ってもらい、吹っ切れて書き続けました。

 すると、思ってもみない早い段階で、書籍化のお話を複数頂き、同年の8月、皆さんのご協力のもと早急に実現することができました。BKB((B)(K)(B)発)と言わざるを得ません。

2023.05.02(火)
文=バイク川崎バイク