紅葉を見に、京都へ行こう! 京都在住の写真家・小林禎弘さんが、長年の撮影の経験を踏まえて紅葉の名所を紹介します。京都の人ならではの行き届いた観光案内、撮影指南としてもお楽しみいただけます。

【第2位】永観堂

古くから「秋はもみじの永観堂」といわれてきた紅葉の名所。写真左奥が多宝塔

 永観堂の名で知られる禅林寺は南禅寺の北にあり、古くより紅葉の名所として知られ、「秋はもみじの永観堂」といわれてきました。寺内の楓の数は、なんと3000本もあります。

 伽藍は山の斜面に沿って建てられ、それらを結ぶ回廊は曲がりくねった急な階段になっています。龍の体内を歩いているようなので「臥龍廊」と呼ばれます。上の方の回廊はちょっと怖いくらいですが、まるで空中を歩いているようです。カーブした欄干のシルエットに紅葉の鮮やかな色合いが印象的です。

 紅葉は放生池周辺が最も見応えがあります。放生池には弁天島があり、かかる石橋をアクセントに囲まれた紅葉と水面に映る紅葉を合わせて撮影するとよいでしょう。またもう少し引いて、山の上の多宝塔も小さく入れ込むとスケール感が出た写真になります。望遠で山の緑と麓の紅葉の間から浮かび上がる多宝塔というように、シンプルに画面を整理して撮影するとよいでしょう。

 首を左へ90度向けた「みかえり阿弥陀」が有名です。

 永観堂七不思議(といっても9つほどありますが)の一つ、境内の裏の急斜面から生えている「岩垣もみじ」も趣があり、歴史を感じられます。名前は藤原関雄が隠居中に、「奥山の岩垣紅葉散りぬべし照る日の光みるときなくて」と詠んだことに由来しています。

 また、これも七不思議の一つで御影堂の横、水琴窟のそばに立つ、葉先が3つに分かれている珍しい松の古木「三鈷の松」も是非見てください。

 多宝塔まで登ると、眼下に紅葉越しの京都市街が展望できます。2013年11月8日~12月5日の間は、夜間ライトアップされます。

永観堂の紅葉スポット
交通手段 市バス5番系統「南禅寺永観堂永観堂道」下車東へ徒歩3分。地下鉄東西線「蹴上(けあげ)」下車、徒歩約10分。

小林禎弘
フォトグラファー。京都市生まれの京都市育ち。同志社大学を卒業後3年間の公務員を経て撮影の世界へ。雑誌、書籍、広告を舞台として、京都を中心に西日本を幅広くカバー。「撮影歴30年ですが、それくらいでは京都の事はまだまだわかりまへん」。

2013.09.29(日)