「窓という窓に女の子の顔がペターっと!」『幽☆遊☆白書』蔵馬役の緒方恵美を驚かせた、ファンの“熱狂的すぎる反応” から続く

『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジをはじめ、『幽☆遊☆白書』の蔵馬や『カードキャプターさくら』月城雪兎など、数々の人気キャラクターを演じてきた声優・緒方恵美さん。2021年12月公開の『劇場版 呪術廻戦0』でも、主人公の乙骨優太役を演じて話題になりました。

 ここでは、緒方さん初の自伝本『再生(仮)』より一部を抜粋。『美少女戦士セーラームーン』でセーラーウラヌスを演じた緒方さんが、セーラーネプチューン役・勝生真沙子さんとの共演について書いたエピソードを紹介します。(全2回の2回目/前編を読む)

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鯉の滝登り!?

 94年、『美少女戦士セーラームーンS』でセーラー戦士・ウラヌスを演じることになりました。

『セーラームーン』には、『R』のときから妖魔や小学生役で参加していましたが、シリーズ後半には敵キャラクター「あやかしの四姉妹」の長女ペッツ役を、そのあとに劇場版『セーラームーンR』で、タキシード仮面(地場衛)の少年時代役を。その年またぎの頃、テレビ朝日の太田賢司プロデューサーから「次のテレビシリーズで加わるセーラー戦士に君を推したい。一緒にやろう」と声がかかり、指名でウラヌス役をいただいたんです。

 その時に、相方のネプチューン(海王みちる)役には、私よりも先輩で落ち着いて芝居ができる人として勝生真沙子さんのお名前が挙がっていました。

 なんと幸せなことでしょう! 少しずつ少しずつ、仲間として認めてくださった。ひとつの作品の中で、鯉の滝登りのように……役者冥利につきすぎる、言葉で表せないほどの喜びを、噛みしめていました。

 

「ええと……いわゆるビアンではなく、夫婦ですか?」

 私が演じるセーラーウラヌスこと天王はるかは、女性だけどどこか中性的で、男装の麗人的な役柄です。一見、クールに見えるけど実はとてもまっすぐで情熱的な性格。

2022.04.11(月)
文=緒方 恵美