全国の中高生が参加する「日学・黒板アート甲子園」は、各校のチーム単位による黒板アート作品を競う大会で、黒板・ホワイトボードメーカーの日学が主催するイベントとして2015年から毎年開催されています。通算7回目となる今回は、メイン大会(高校生の部)で1,444人、ジュニアの部(中学生)で637人の生徒が参加し、過去最多の参加人数を更新。いずれもレベルの高い作品が競い合い、大変な盛り上がりをみせました。

 今回、見事メイン大会で最優秀賞を受賞したのは、静岡県立浜松大平台高等学校の7人チームで、作品名は「冬の幾何学」。

 審査員長の武蔵野美術大学三澤一実教授からは、絶賛のコメントが寄せられています。

 「『部活帰りの渡り廊下は肌を貫くような厳冬の風が吹く。私は制服のシャツで眼鏡のレンズを拭いながら、今日は星が綺麗だと思った』という高校生活の一場面から生まれた作品です。

 メガネを掛けると友達の背中越しに一段とくっきり見える星。そして浮かび上がる星座の形。太古の昔から人間を引きつけてきた星空は現代を生きる高校生をも強く魅了するでしょう。また、校舎の壁や眼鏡のフレームなど、それぞれの質感を丁寧に描き分けています。

 レンズを通して見ているような風景の歪みと水平を斜めに傾け切り取った構図も素晴らしいです」

 また、ジュニアの部の最優秀賞には、熊谷市立富士見中学校の4人組が手掛けた「夜の静けさ」が受賞。

 審査員でチョークアーティストの熊沢加奈子先生からは、こんなコメントが寄せられました。

 「背景のグラデーションと、木の部分はあえて塗り込みをせず黒板の地を活かして表現し、右側の池(湖?)に映り込む木々の描きこみも良かったです。タイトルどおり、静寂さを感じる仕上がりで、全体的なバランスも良いです」

 黒板アート甲子園の特徴は、黒板に描かれた1つの作品を数人のチームを組んで共同制作すること。コロナ禍で学校生活においても様々な制約を受ける中、生徒たちが1つのことに打ち込める貴重な機会として、非常に良い思い出が作れたと参加者からの声も多かったそう。

 これからもっとたくさんの方が参加できるように、イベントの規模を拡大して、生徒たちの活躍の場をもっと作っていきたいとのこと。次回も若い才能が集結した、あっと驚くような作品に出合えるかもしれません。

 

日学・黒板アート甲子園®︎事務局
https://kokubanart.nichigaku.co.jp/

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2022.02.03(木)
文=CREA編集部