愛猫にはいつまでも健康で長生きしてもらいたいもの。そのヒントを凝縮した『ネコのカラダにいいこと事典』(監修:臼杵 新)から、ネコの健康と長寿に役立つ情報をお届けします。


ネコの「老い」で起こる 生活の変化に対応しよう

【POINT 1】トイレをバリアフリーに

 おしっこやうんちの状態を確認するのは大事な健康チェックですが、トイレ行動の様子も確認してください。たとえば粗相をする原因がトイレをうまくまたげないことにあるなら、関節炎なのか、老化による筋力低下なのかなどを見極めつつ段差をなくしましょう。

【POINT 2】フードや水の置き方にもくふうを

 運動能力や身体機能の低下が老化によるものなら、飼い主が意図的に少し体を動かすくふうをしてあげましょう。フードや水を小分けにしたり、少しだけ高いところに置いたりすれば、食事や水をとりたいときに歩く距離が延びて、上下運動もできます。

【POINT 3】脳に刺激を与える遊びも

 集中力や体力が続きにくいシニア期には、食事の前に数分~5分程度の遊びや運動を取り入れましょう。年をとっても狩猟本能は残っているので、猫じゃらしやキャットトンネル、鈴入りや音が出るオモチャなどを使ってワクワクさせると脳の刺激になります。

ココでわかる老化のサイン

1:活発に動かなくなる 
2:目、歯、爪、毛が変化する 
3:好奇心がなくなる
1:活発に動かなくなる 
2:目、歯、爪、毛が変化する 
3:好奇心がなくなる

●活発に動かなくなる

 個体差はありますが、ネコは中年期から少しずつ活動量が少なくなります。シニア期になると筋力が低下して動けなくなり、動かないのでさらに筋力が衰えるといったループが繰り返されて、高いところに行かなくなったり、ジャンプに失敗したりするようになります。

●目、歯、爪、毛が変化する

 シニア期になると目の虹彩や水晶体の変化、歯の黄ばみ、爪が厚くなる、抜け毛の増加、毛のパサつき、顔周りの白髪などが見られるようになります。

●好奇心がなくなる

 若いころはオモチャでよく遊び、あらゆることに好奇心を持っていたのに、だんだん遊びにも関心を示さなくなったりします。動くものなどに興味を示して目で追いかけても集中力が続かなくなります。

注意点

運動能力の低下や長時間眠るといった老化のサインは、病気などの初期症状とよく似ていて、見分けがつきにくいかもしれません。「年だから」で終わらせず、痛みがないか、全身の状態に変化がないか注意深く観察して健康チェックを行ってください。違和感があれば動物病院へ連れていきましょう。

プラスニャンPOINT

シニア期のネコにとって居心地がいいのは、快適な寝床やお気に入りの場所があることと、飼い主との適度な距離感が保たれていることです。話しかけたりコミュニケーションをとったりするのは必要ですが、拘束したり構いすぎたりすると大きなストレスが生じます。

臼杵 新(うすき・あらた)

獣医師、ウスキ動物病院(埼玉県さいたま市桜区)院長。1974年生まれ。麻布大学獣医学部獣医学科卒業の後、野田動物病院(神奈川県横浜市港北区)などでの勤務医を経て、現職。「動物と飼い主の両方を幸せにする治療」がモットー。著書に『イヌの老いじたく』『イヌを長生きさせる50の秘訣』(ソフトバンククリエイティブ、サイエンス・アイ新書)、監修書に『猫にいいものわるいもの』『犬にいいものわるいもの』(三才ブックス)などがある。

『ネコのカラダにいいこと事典』

監修:臼杵 新 発行:世界文化社

「愛猫の健康長寿」を願うすべてのネコ好きのための暮らしの実用書。ネコの「生活」「遊び」「老い」「病気」について、2ページ1項目を基本にテーマを設定。それぞれに「POINT」や「プラス・ニャン(ワン)POINT」を挙げて簡潔に説明します。

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